正常な胃壁は、表面を粘液の膜が覆っていて、胃液で侵されないように保護されています。不摂生やピロリ菌の影響でこの保護膜が壊されると、胃壁はたちまち浸食されえぐられていきます。これが胃潰瘍です。
症状は胃痛(鈍痛から激痛までさまざまな痛みが起こる)、吐き気、嘔吐、吐血、食欲不振、痩せ、など多彩です。内視鏡検査で確実な診断が行われます。
※胃潰瘍を引き起こすピロリ菌
1982年に、強酸性の胃の中で生きることができるピロリ菌という特種な細菌が発見され、これが胃炎や胃潰瘍を起こすことがわかって大きな話題になりました。
抗生物質を使ってこれを除菌すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発が20分の1以下に抑えられます。
(現在ではピロリ菌がいて胃潰瘍や十二指腸潰瘍と診断された場合は除菌治療を健康保険で受けることができます)
胃癌は、肺癌と並んで日本人の患者数の多い癌のひとつです。しかし胃癌は、治療法の進歩と検査の普及で「治せる癌」になりつつあります。今では早期癌ならほとんど治すことができます。
早期発見の決め手は定期検診
早期の胃癌には、自覚症状はほとんどありません。40歳を越えたら、自覚症状はなくても、年に一回は胃の検査を受けましょう。
胃癌の治療
早期胃癌は時には開腹手術ではなく、内視鏡で切除するだけで済む場合もあります。
開腹手術になっても、早期で転移がなければ小さな範囲の手術で済みます。