口臭の原因になる臭い玉(膿栓)とは?取り方や予防方法を解説!

喉の奥にある扁桃腺にできる臭い玉(においだま・くさいだま)は、口臭の原因にもなるため、悩んでいる人が多くいます。

そこで今回は、「臭い玉ができる原因を知りたい」「自分で取る方法を知りたい」という人に向けて、臭い玉ができる原因、取り方や予防法について詳しく紹介します。

 

臭い玉(膿栓)とは

喉の奥の両側には扁桃腺というリンパ組織があり、その表面には「陰窩(いんか)」という多数の小さなくぼみがあります。

臭い玉は膿栓(のうせん)とも呼ばれ、陰窩に溜まる白っぽい塊のことです。

大きさは5mm〜6mm程度のものが多いですが、人によっては1cm以上のものができることもあります。

口の中を鏡で確認して扁桃腺に白っぽい小さな出来物が見えたら、臭い玉ができている可能性が高いでしょう。

 

臭い玉(膿栓)ができる原因

扁桃腺には、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐ免疫機能があります。

そのため、扁桃腺の表面にある陰窩には、細菌やウイルスの死骸が溜まりやすいのです。

 

臭い玉は、細菌やウイルスの死骸、食べかすなどが口腔内のカルシウムやミネラル成分によって硬くなってできたものです。

臭い玉には、硫化水素やスカトールといった悪臭成分が多く含まれるので、潰すと強い悪臭が発生します。

臭い玉があっても重大な病気にはつながらず、飲み込んでも体に害はありません。

しかし、いくつもできると口臭の原因になったり、喉に違和感を覚えたりする場合があります。

 

実は簡単?!臭い玉(膿栓)の取り方

臭い玉を無理矢理とると、口腔内を傷つけてしまい、そこからバイキンが入ってしまう可能性があるため、自身で臭い玉を取ることはおすすめできません。

しかし、どうしても気になる…。という人もいるでしょう。

ここでは、口腔内を傷つけずに臭い玉を取る簡単な方法を紹介します。

 

うがいで取る

臭い玉を取りたいときは、ガラガラうがいをしてみましょう。

 

【ガラガラうがいのやり方】

  1. 口に水を含んで上を向く
  2. 「あー」「うー」と声を出しながらガラガラと音を立ててうがいをする(15秒程度)
  3. 新しい水を口に含み、もう一度同じようにうがいをする
  4. 1~3を2,3回繰り返す

ガラガラと音を立ててうがいをすることで、喉が振動し自然と臭い玉が取れる場合があります。

喉の奥に水が届くように意識して行ってみましょう。

ただし、ガラガラうがいのみでは取れない場合もあります

その場合は次に紹介するハンディ・クラウンを用いた方法を試してみてください。

 

ハンディ・クラウンを使って取る

ハンディ・クラウン(丸型洗浄瓶)は、プラスチック素材のボトルにノズルが付いたもので、通販サイトやホームセンターなどで200〜300円程度で購入することができます。

 

【ハンディ・クラウンを使った臭い玉の取り方】

  1. ハンディ・クラウンに水を満タンに入れる
  2. 鏡で確認しながら、臭い玉がある部分に向けて優しく水をかける

この方法なら、臭い玉がついている陰窩に対して、ピンポイントに水圧をかけることができます。

ただし、臭い玉が大きい場合や、奥の方にある場合はこの方法でも取れない場合があります。

そういった場合は無理に取ろうとせず、耳鼻咽喉科で除去してもらいましょう。

 

耳鼻咽喉科で除去する

口の中の症状なので、歯科に相談する人も多いですが、臭い玉は甲状腺付近にできるものなので、歯科ではなく耳鼻咽喉科の領域です。

耳鼻咽喉科では、専用の機器で水圧をかけて臭い玉を洗い出したり、吸引して取り出したりする方法が用いられます。

臭い玉自体は病気ではありませんが、専門の医師に相談することで臭い玉が溜まる原因や正しい対処法について知ることができます。

臭い玉による口臭や喉の違和感によって日常生活に支障が出ている場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

臭い玉(膿栓)を作らないための予防法

ここでは、臭い玉を作らないための予防方法を紹介します。

 

口腔内を清潔に保つ

臭い玉を予防するには、口の中の歯垢(プラーク)や歯石、食べかすを取り除いて口腔内を清潔に保つことが重要です。

きちんと歯磨きをしているつもりでも十分に汚れを落としきれていない場合もあります。

とくに、歯と歯の間・歯と歯ぐきの境目・奥歯の溝・歯並びが悪い部分・抜けている歯の周りは汚れがつきやすい場所です。

歯磨きだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使うと磨き残しを防ぐことができます。

ただし、自宅でのケアには限りがあるので、自宅でのオーラルケアと併せて定期的に歯科医で歯のクリーニングを受けることをおすすめします。

 

こまめに水分補給をする

唾液には、食べかすや歯垢を洗い流す自浄作用や細菌の増殖を抑える抗菌作用があります。

唾液の分泌量が少なくなって口腔内が乾燥すると臭い玉ができやすくなるため、臭い玉の予防には水分補給をすることが大切です。

ちなみに、厚生労働省によると体重60kgの成人男性が1日に必要な水分量は2.5L、そのうち飲み水の摂取量は1.2リットルとされています。

 

水分補給は、喉が渇いたと感じる前に行うのがポイントです。

起床時・仕事中・食事中・入浴前後・運動中・就寝前など、1日をかけてこまめに水を飲むようにしましょう。

お茶やコーヒーなどカフェインが入っている飲み物、アルコール飲料は利尿作用によって体内の水分が排出されるため、水分補給には水や白湯がおすすめです。

出典:「健康のため水を飲もう」 推進運動|厚生労働省

 

鼻呼吸をする

口呼吸は、空気中の細菌やウイルスなどを直接口腔内に取り込んでしまうため、臭い玉ができやすくなってしまいます。

<口呼吸をしている人の特徴>

  • 気づくと口が半開きになっている
  • 口内炎ができやすい
  • 唇が乾燥する
  • 朝起きたときに喉が痛い
  • いびきや歯軋りをする
  • 歯並びが悪い(出っ歯)

上記の特徴に当てはまるものが多い人は、無意識に口呼吸をしている可能性があります。

 

鼻呼吸は、空気中の細菌やウイルスなどを鼻腔内の毛や粘膜に吸着させ、侵入を防いでくれます

臭い玉を予防したいときは、日頃からしっかりと口を閉じて鼻呼吸をするように心がけましょう。

歯並びや噛み合わせが口呼吸の原因になっている場合は、歯科医に相談することをおすすめします。

 

うがいをする

うがいをすると口腔内が潤い、粘膜に付着した細菌やウイルスを洗い流すことができます。

外出先から帰ってきたときや食事前後にこまめにうがいをすると、臭い玉の予防に役立ちます。

手についた細菌やウイルスが口に入る可能性があるため、しっかりと手洗いをしてからうがいをしましょう。

水のうがいでも効果はありますが、殺菌作用のあるカテキンを含む緑茶や殺菌成分・抗炎症成分を含むうがい薬を使用するのも効果的です。

 

ただし、アレルギー体質の人や治療を受けている人はうがい薬を使用できない場合があるため、購入前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

うがい薬の使用によって体調に異変が現れた場合は、すぐに使用を中止して病院を受診しましょう。

 

臭い玉(膿栓)に関するよくある質問

ここでは、臭い玉に関するよくある質問と回答を紹介します。

 

臭い玉がない人とある人の違いはなんですか?

臭い玉は身体の免疫機能によって発生するものなので、健康な人でも臭い玉はできます。

通常臭い玉は、くしゃみや咳が出たとき、食事をしているときに自然と取れるので、食べ物や飲み物と一緒に飲み込んでいることが多いです。

しかし、口腔内環境や病気の影響で臭い玉ができやすい人もいます。

 

【口腔内の環境が悪い人】

臭い玉は細菌・ウイルスの死骸、食べかすなどから形成されるため、口腔内が不衛生だったり、乾燥して細菌が増殖しやすかったりすると臭い玉ができやすくなります。

 

【鼻炎のある人】

鼻腔は粘膜に覆われており、鼻に入った細菌やウイルス、埃などを排出するために鼻水を分泌しています。

鼻腔の粘膜に炎症が起こると鼻水が大量に分泌され、鼻水が喉に流れてくる「後鼻漏(こうびろう)」が起こるため、臭い玉ができやすくなります。

また、鼻炎薬を使用している場合、副作用による唾液の分泌量の低下も臭い玉の原因のひとつです。

 

【扁桃炎になりやすい人】

扁桃腺には細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きがありますが、疲れているときや風邪を引いたときなどに抵抗力が低下すると細菌やウイルスに感染して炎症を起こすことがあります。

扁桃炎が慢性化すると炎症が続いて膿が溜まり、臭い玉ができやすくなります。

扁桃炎になっているときに臭い玉を取ろうすると、症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。

 

【ドライマウス(口腔乾燥症)の人】

ドライマウスは、唾液の分泌量が少なくなって口腔内が乾燥している状態です。

薬の副作用・糖尿病・腎臓疾患・シェーグレン症候群・ストレス・加齢などさまざまな原因がありますが、原因がはっきりしていないケースもあります。

ドライマウスの人は口の中が乾燥して細菌が増殖しやすい環境になるため、臭い玉ができやすくなります。

 

口腔内環境によって臭い玉ができている場合は、日常的なケアで予防することが可能です。

しかし、病気の影響で臭い玉ができている場合は、根本的な治療が必要です。

臭い玉以外にも気になる症状があるときは、病院を受診しましょう。

 

臭い玉は自分で取っても良いですか?

臭い玉を無理やり取り除こうとすると、口腔内を傷める可能性があるのでおすすめできません。

とくに、綿棒や爪楊枝を使って臭い玉を掻き出す、といった方法は避けた方が良いでしょう。

通常、臭い玉は自然に取れることがほとんどですが、口臭や喉の違和感があるときは先に紹介した臭い玉の取り方を試してみましょう。

 

臭い玉を取っても口臭が気になります

臭い玉を取っても口臭が気になるときは、他の原因で口臭が生じている可能性があります。

口臭の原因となるのは、臭い玉の他にも以下のようなものがあります。

 

【生理的要因】

起床時・空腹時・ダイエット時・緊張時・ホルモンの変動時などは唾液の分泌量が少なくなり、細菌が増えて口臭が起こることがあります。

生理的要因による口臭は誰にでも起こるもので、生活習慣の改善などで対策できます。

 

【外因性要因】

ネギやニンニクといった香りの強い食材を食べたときなど、外因性要因によって口臭が起こることがあります。

外因性要因による口臭は時間が経つと自然となくなるため、病院での治療は必要ありません。

 

【病的要因】

口臭は、口腔内の病的要因・トラブルが関わっていることが多いです。

口臭を引き起こす口腔内の病的要因・トラブルは、歯周病・虫歯・歯垢・歯石・舌苔などです。

また、糖尿病・肝疾患・鼻疾患・腎疾患など、病気が原因で口臭が起こることもあります。

 

【心因性要因】

口臭がないのに、自分には口臭があると思い込む人もいます。

心因性要因の場合は、歯科医院での検査で口臭の有無を確認するのがおすすめです。

どうしても口臭が気になってしまうときは、心療内科といった専門の病院で受診してみましょう。

 

口臭に関する詳しい内容については、下記記事にて紹介しております。

【口臭セルフチェック】ニオイの原因と正しい口臭対策のやり方を解説!

 

まとめ

異臭を発する臭い玉。

それだけに、「臭い玉があることが恥ずかしい」「自分で取りたい」と悩む人もいますが、臭い玉は実は誰にでも出来うるものです。

通常、臭い玉は咳や食事のときに自然に取れることがほとんどですが、口臭や喉の違和感などがあるときは耳鼻咽喉科を受診して除去してもらうようにしましょう。

臭い玉の予防策としては、歯磨きの見直し・うがい・水分補給・鼻呼吸などの方法がありますが、臭い玉対策をしても口臭がするときは他の原因も考えられます。

口臭の原因がわからないときは、医師に相談するようにしましょう。