おりものが黄緑色になるのはなぜ?考えられる病気について徹底解説!

おりものの色は生理周期や体調で変化することがあり、色によっては注意が必要な場合もあります。

黄緑色のおりものが出るときは、体に不調が起きていると考えられます。

この記事では、おりものが黄緑色になる原因や考えられる感染症・子宮の病気について詳しく紹介します。

 

おりものが黄緑色になるのはなぜ?

おりものは、子宮や膣から剥がれ落ちた古い細胞や子宮や膣からの分泌物などが混ざったものです。

おりものは細菌が膣内へ侵入することを防ぐ働きがあり、膣の自浄作用に役立っています。

排卵日近くに分泌されるおりものは受精をサポートします。

おりものの色の変化は、不調のサインである場合もあれば、そうでない場合もあります。

まずは、正常なおりものの色・要注意なおりものの色を確認してみましょう。

 

おりものが黄緑色になるのは不調のサイン

個人差はありますが、正常なおりものの色は透明・乳白色です。

茶褐色・茶色・ピンク色のおりものが出ているときは、血液が混ざっていることが考えられます。

生理前後に茶褐色・茶色・薄い茶色・ピンク色のおりものが出る場合、経血が混ざっているためであることが多いでしょう。

生理中・生理前後以外で茶褐色・茶色・薄い茶色・ピンク色のおりものが出る場合、不正出血ですので注意が必要です。

 

黄緑色のおりものが出ているときは、体に不調が起きていると考えられます。

他にも、濃い黄色・灰色など、正常な色とは違う色のおりものが出ているときも、体に不調が起きている可能性があります。

 

生理前のおりものは白色・黄色など

おりものとエストロゲン(卵胞ホルモン)は大きく関わっており、生理周期に合わせておりものの量・状態は変化します。

生理前・生理直後~卵胞期・排卵期・黄体期のおりものの特徴は、以下の通りです。

 

【生理前】

生理前のおりものは白く濁っていて、ドロッとしているのが特徴です。

下着について時間が経ったおりものは、酸化して黄色く見えることもあります。

また、少量の経血が混ざって、ピンク色や茶色っぽいおりものが出る場合もあります。

 

【生理直後~卵胞期】

生理直後〜卵胞期のおりものは、量が少なくてサラッとしており、経血の残りが混ざって茶色っぽくなることがあります。

 

【排卵期】

排卵期のおりものは、量が多く、透明でよく伸びてニオイは感じにくいです。

排卵期出血により、ピンク色や茶褐色になることもあります。

 

【黄体期】

黄体期のおりものは白く濁っていて粘り気があり、下着やおりものシートにつくと目立ちやすいです。

 

妊娠初期のおりものは白色・茶色・ピンク色など

妊娠初期のおりものは、サラサラとしていて、普段よりも量が増えて白っぽくなることが多いです。

ドロッとした白いかたまり状のおりものになることもあります。

着床出血が起きた場合、おりものに血液が混ざり、おりものが茶色・ピンク色になることがあります。

おりものの変化は個人差が大きく、妊娠初期のおりものに変化が起きない場合もあります。

 

妊娠初期には、おりものの変化以外に以下のような不調が現れることがあります。

  • お腹の張り
  • 下腹部痛
  • 胸の張り
  • 便秘
  • 微熱
  • 強い眠気
  • 倦怠感
  • 情緒不安定
  • 頭痛
  • めまい・立ちくらみ
  • 頻尿
  • 生理の遅れ(予定日から1週間以上)

妊娠初期と生理前の症状は似ているものが多く、自覚症状だけでは妊娠しているかどうかはっきりとわからないことが多いでしょう。

他の原因によって不調が起きている可能性もあるので、気になる症状があるときは早めに婦人科で受診しましょう。

 

おりものが黄緑色になる感染症・子宮の病気

感染症や子宮の病気の症状として、黄緑色のおりものが出ることがあります。

ここで挙げる病気がすべてではありませんが、おりものが黄緑色になっているときに考えられる感染症や子宮の病気を紹介します。

 

黄緑色~黄色の泡状で悪臭のするおりもの「膣トリコモナス症」かも

膣トリコモナス症は、膣や子宮の入口周辺に寄生する膣トリコモナス原虫が病原体の感染症です。

主な感染源は性行為で、タオル・下着・便器・浴槽などから感染する場合もあります。

発症すると、黄緑色から黄色で泡状の悪臭のするおりものが出ます。

 

他にも、膣トリコモナス症では以下のような症状が現れることがあります。

  • おりものの増加
  • 膣の痛み
  • 膣のかゆみ
  • 排尿痛・頻尿
  • 性交痛

膣トリコモナス症の症状は個人差があり、無症状の場合も少なくありません。

自然治癒することはなく、放置すると子宮内膜炎や子宮頸管炎になる場合があるので早めに病院で受診することが大切です。

 

また、膣トリコモナス症の症状が軽い場合でも、性行為などによって膣トリコモナス原虫をパートナーにうつしてしまう可能性があります。

男性は女性よりも症状が軽く、膣トリコモナス症に感染していても気づかない場合が多いです。

パートナーと一緒に治療を行わないとピンポン感染が起こる可能性があるので、膣トリコモナス症と診断されたときは、パートナーも一緒に病院で受診することをおすすめします。

 

黄緑色~黄色で膿状のおりもの+不正出血「淋菌感染症」かも

淋菌感染症は、淋菌という細菌に感染して症状が起こる感染症です。

喉・子宮頸部・直腸・尿道などを侵すため、性行為(オーラルセックス・アナルセックスを含む)が主な感染源になります。

女性が発症すると、黄緑色から黄色で膿状のおりものが出たり、不正出血が起きたりすることがあります。

 

他にも、淋菌感染症では以下のような症状が現れることがあります。

  • おりものの増加
  • 外陰部・膣の発赤

ただし、女性は淋菌感染症になっても症状が軽く、感染に気づかないことも少なくありません。

放置すると、子宮内膜炎・子宮頸管炎・卵管炎・骨髄腹膜炎・肝周囲炎などを引き起こすことがありますので、少しでも気になる症状があれば早めに病院で受診することが大切です。

また、パートナーとのピンポン感染が起こる場合があり、男性は女性よりも症状が強いことが多いです。

淋菌感染症と診断されたときは、パートナーも病院で検査を受けるようにしましょう。

 

黄緑色で膿状のおりもの+下腹部痛「子宮内膜炎」かも

子宮内膜炎は、子宮内膜に炎症が起こった状態です。

子宮内膜炎が起こる要因には、以下のようなものがあります。

  • 子宮内避妊リング(IUD)の挿入
  • 細菌性膣症
  • 淋菌感染症
  • 性器クラミジア感染症
  • 子宮内の検査
  • 人工中絶手術・流産時の処置・出産後
  • 加齢による女性ホルモン量の減少

子宮内膜炎では、黄緑色で膿状のおりものが出たり下腹部痛が起きたりすることがあります。

 

他にも、以下のような症状が現れます。

  • おりものの増加
  • 発熱

炎症が悪化すると子宮筋層・卵管・卵巣・腹膜などに広がることもあるため、子宮内膜炎を疑う場合、早めに病院で受診することをおすすめします。

 

まとめ

おりものの色は生理周期や年齢により変化します。

また、おりものの色は病気が原因で変化することもあります。

おりものの色と状態の目安は、以下の通りです。

【おりものの色と状態】

  • 透明・乳白色…正常
  • 茶色・ピンク色など…生理前後・排卵期出血は正常、それ以外の出血は要注意
  • 黄緑色・濃い黄色・灰色…要注意

 

おりものが黄緑色になっているときは、以下の感染症・子宮の病気の可能性があります。

  • 膣トリコモナス症
  • 淋菌感染症
  • 子宮内膜炎

色以外にも、おりもののニオイや量がおかしい、下腹部痛や他の症状があるなど、少しでも異変を感じたら、自己判断せずに早めに病院で受診しましょう。