更年期・閉経後に起こるおりものの量や色の変化とは?注意すべき症状と病気

更年期になるとホルモンバランスが乱れ、経血の量や生理周期が変化してきます。

この時期になると「おりもの」の量や色も変わってくるのですが、状態によっては深刻な病気が関係している可能性もあります。

そこで今回は、更年期に該当する時期や更年期・閉経後に起こるおりものの変化、注意すべき症状と病気などを詳しく紹介します。

 

更年期とは閉経の前後5年間の計10年間

心身の不調を感じやすい「更年期」は、閉経の前後5年間の約10年間を指します。

はじめに、更年期が始まる年齢の目安やサイン、更年期障害と呼ばれる不調のうち主なものを確認してみましょう。

 

何歳くらいから更年期は始まる?

日本人女性の閉経年齢の中央値は50.54歳との報告※1や52.1歳との報告※2があり、更年期は40代後半に始まることが多いようです。

ただし、閉経する年齢には個人差があり、40歳未満で閉経する人もいれば60代を過ぎてから閉経する人もいるので、更年期の始まる年齢も個人差があります。

※1 日本産科婦人科学会教育 用語委員会報告 :「本邦女性の閉経年齢について」に関する委員会提案理由.日産雑誌 47:449-451, 1995

※2 Yasui T, Hayashi K, Mizunuma H, et al: Factors associated with premature ovarian failure, early menopause and earlier onset of menopause in Japanese women. Maturitas. 2012 Jul;72(3):249-55.

 

生理でわかる更年期の始まり・終わり

更年期を迎えると、生理の周期や経血量に乱れが生じるようになります。

これは、卵巣の機能が低下し、女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌が不安定になることが原因です。

一般的には更年期が始まると、月経周期が短くなり、経血量も少なくなっていきます。

その後、月経不順になって経血量が不安定になり、今度は生理の来る間隔が2〜3ヵ月に1度、4〜5ヵ月に1度とだんだん長くなっていく傾向があります。

1年以上生理が来なくなったら閉経となり、閉経から約5年後が更年期の終わりといえます。

 

更年期障害で起こる主な不調

更年期に入るとホルモンバランスや自律神経の乱れが起きやすくなるため、心身にさまざまな不調が現れることも少なくありません。

そのような症状のうち、他の病気に伴わないものを更年期症状と呼び、そのうち日常生活に影響が出るほど重いものを「更年期障害」と呼びます。

症状の程度や現れ方は人によって異なります。

更年期障害は、更年期が終わる頃にはなくなるでしょう。

更年期障害で起こる主な不調には、以下のようなものがあります。

【身体症状】
ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗)・冷え・頭痛・倦怠感・めまい・疲労感・肩こり・腰痛・背中の痛み・吐き気・胃もたれ・胃痛・下痢・便秘・皮膚のかゆみ・手足のしびれ・動悸など
【精神症状】
無力感・不安感・気分の落ち込み・意欲の低下・情緒不安定・イライラなど

医療機関では更年期障害の症状にあわせて、ホルモン剤で女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)を補う「ホルモン補充療法」や、漢方薬・向精神薬などでの治療が行われます。

 

更年期に起こるおりものの変化

おりものには、細菌が体内に入るのを防ぐ役割や、排卵期に受精のサポートをして妊娠しやすくする役割があります。

おりものはエストロゲンと関わりがあり、年齢とともに量や状態が変化していきます。

ここで女性の年齢別に、おりものの量や状態について、どの程度悩んでいるのか調べたアンケートの結果を見てみましょう。

※わかもと製薬アンケート調査:2021年7月実施(n=7958)

※上記調査のパーセンテージは、小数点2位以下を四捨五入しているため合計が100%以上になる、もしくは100%に至らない項目があります。ご了承ください。

エストロゲンの分泌量は20代後半から30代前半にピークを迎え、その後は減少していきます。

特に多くの人が更年期を迎える45歳以降は激減します。

おりものの量はエストロゲンの分泌量に連動し、エストロゲン分泌量のピークを迎える時期にはおりものの量も増え、減少時期にはおりものも減っていくのが特徴です。

それを踏まえてグラフを見てみると、エストロゲンの分泌量がピークを迎え、おりものの量も増えている20代後半は、おりものの量や状態に悩む人がもっとも多くなっています。

 

一方、多くの人が更年期を迎え、エストロゲンが激減し、おりものの量も減少する40代後半にはおりものの量や状態に悩む人が半数を割り、以降は量や状態に悩む人が大幅に減っていくことが見て取れます。

ただし、まったく悩みがなくなるわけではなく、更年期に起こりやすい病気によるおりものの悩みを持つ場合もあります。

 

【通常】閉経後おりものの量は減り、おりものは無色透明・ほぼ無臭

閉経後はエストロゲンの分泌がほとんどなくなるため、通常はおりものの量が一気に減ります。

さらに、通常のおりものの色やニオイは、

  • 【色】無色透明or乳白色
  • 【ニオイ】ほぼ無臭or少し酸っぱいニオイ

このような状態ですが、閉経後におりものの量や状態に異変が起こることがあります。

その場合は、次のような病気の可能性があるので注意が必要です。

 

【要注意】おりものが黄色い・臭い「萎縮性膣炎」

おりものの色が黄色くてニオイが強い場合は、「萎縮性膣炎」を発症している可能性があります。

萎縮性膣炎とは、エストロゲンの分泌量が減ることにより起こる膣の萎縮性の変化です。

萎縮性膣炎を発症している場合、おりものの変化以外にも、性器に以下のような症状が現れます。

乾燥感・灼熱感・性交痛・圧迫感・頻尿・膀胱炎・尿意切迫感・不正出血・かゆみ・不快感など

治療はエストロゲン補充療法などを用いて行います。

なお、黄色いおりものが出ている場合、性感染症の「淋菌感染症」や「トリコモナス膣炎」の可能性もあります。

症状がある場合は婦人科を受診しましょう。

 

【要注意】おりものの量が多い・生臭い「細菌性膣症」

粘度の低いさらさらとしたおりものがいつもより多量に出たり、おりものが生臭くなったりしているときは、「細菌性膣症」の疑いがあります。

細菌性膣症は、膣内細菌のバランスが崩れ、膣内環境が乱れることによって起こる膣感染症です。

更年期前の女性の健康な膣内の細菌は、デーデルライン桿菌(かんきん)と呼ばれる種類の乳酸菌がほとんどを占めています。

このデーデルライン桿菌は、酸をつくりだし、膣内を酸性に保つことで他の菌の増殖を防ぎ、膣内環境を良好に保つことに役立っています。

 

しかし、更年期以降は、通常デーデルライン桿菌は減少します。

デーデルライン桿菌が減少すると、膣内は酸性状態を保てなくなり、細菌感染しやすい環境になります。

 

なお、細菌性膣症は、以下のような人も発症しやすいです。

  • 過度な疲労や睡眠不足などのストレスにさらされている
  • 通気性の悪い下着や蒸れやすいタイトなパンツ(ズボン)を着用している
  • タンポンや生理用ナプキンを長時間つけたままにしている
  • ウォシュレットで膣内まで洗っている
  • 糖尿病になっている
  • リングペッサリーを使用している
  • 性的パートナーが多い
  • 子宮内避妊用具(IUD)を使用している
  • 萎縮性膣炎を発症している

細菌性膣症を発症している場合、下腹部痛や不正規出血が起こったり、外陰部に赤みや腫れが出たり、性交痛が起きたりすることもあります。

医師が必要と判断すれば、抗菌薬や膣内洗浄などで治療がなされるでしょう。

症状がある場合は婦人科を受診しましょう。

 

膣内環境の健康な状態を維持するならUREX

膣内環境を健康に保つためには、「UREX※1(ユーレックス)」という乳酸菌を摂取するのもおすすめです。

UREXには、GR-1とRC-14※2という2つの乳酸菌が含まれています。

膣は本来、酸性に保たれているのがベストな状態です。

膣内が酸性であれば、酸に弱い悪玉菌は繁殖しにくくなります。

 

しかし、更年期以降は、エストロゲンが減ることにより、膣内の酸性度が弱まり、悪玉菌が増殖しやすい膣内環境になってしまいます。

そこで、膣内環境を整えてくれる乳酸菌UREXの登場です。

乳酸菌UREXについて詳しく見る

UREXは生きたまま膣に届き、さらに長期間にわたって滞在することで酸性を保ち、膣内環境を整えてくれます。

膣内環境の健やかな状態をキープするために、注目成分のUREXを補うのがおすすめです。

※1 「UREX」はクリスチャン・ハンセン社の登録商標です

※2 「GR-1」「RC-14」はクリスチャン・ハンセン社の商標です

 

早急に病院へ行くべきおりものの症状

おりものについて、あなたのこれまでの悩みや辛かったことを、できるだけ詳しく教えてください。
茶色や血の混じったおりものが続いて、子宮頚がんの疑いがあると言われました(60代女性)
(21年5月実施、わかもとインタビュー調査より)

おりものに変化が起きているときは、子宮の病気が隠れている場合もあります。

ここでは、早急に病院へ行くべきおりものの症状について紹介します。

 

閉経後のおりものが茶褐色+下腹部痛など「子宮体がん」

「子宮体がん」は子宮がんの一種で、子宮体部(子宮の袋状の部分)に発生します。

子宮内膜増殖症から発生することが多いことから「子宮内膜がん」とも呼ばれています。

子宮体がんになると、以下のような症状が現れます。

おりものが茶褐色になる・下腹部痛・腰痛・排尿痛・排尿しづらい・性交痛・不正出血・腹部膨満感など

子宮体がんはI型とII型の2つに分類され、子宮体がんの大部分がI型を占めます。

【I型の特徴】

  • 女性ホルモン「エストロゲン」の刺激が長期間続くことが発症に関与すると言われている
  • 若年から閉経前後に発症しやすい

【II型の特徴】

  • エストロゲンは関係しない
  • 閉経した女性など高齢者に比較的多い

早期には不正出血を起こすことが多いので、更年期を迎えて少量でも出血が続いたら早めに婦人科を受診しましょう。

 

おりものが濃い茶色で水っぽい+下腹部痛など「子宮頸がん」

「子宮頸がん」は子宮がんの一種で、子宮頸部(子宮の入り口あたり)に発生します。

子宮頸がんは早期には自覚症状がほとんどなく、進行すると以下のような症状が現れます。

おりものの色が濃い茶色や水っぽくなる・下腹部痛・不正出血・性行時の出血など

性交渉による「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染が主な原因で、喫煙習慣のある人や性的パートナーが多い人、妊娠・出産回数が多い人はとくに注意が必要です。

子宮頸がんは早期発見することが重要なので、定期的ながん検診を受けるのがおすすめです。

症状があれば早めに婦人科を受診しましょう。

 

おりものが水っぽい・腹部の不快感など「卵管がん」

「卵管がん」は卵巣と子宮をつなげている管に発生するがんです。

卵管がんを発症すると、以下のような症状が現れます。

おりものが水っぽくなる・腹部の不快感・腹部膨満感・骨盤部痛・腹部痛・下腹部のしこり・食欲がなくなるなど

閉経後の女性に発生することが多く、初期段階では自覚症状がほとんどありません

早期発見することが難しい病気なので、異変を感じたらすぐに婦人科を受診しましょう。

 

おりものが水っぽい・月経痛が強いなど「子宮筋腫」

「子宮筋腫」は子宮壁を構成する平滑筋にできる良性腫瘍で、女性ホルモンの影響を受けて大きくなるのが特徴です。

発生する部位によって症状は異なりますが、以下のような症状が現れます。

おりものが水っぽくなる・不正出血・強い月経痛・下腹部痛・過多月経・過長月経・貧血・性交時の不快感・下腹部のしこり

子宮筋腫は女性ホルモンが活発になる20代前後から40代、50代にかけて問題が生じやすく、閉経すると問題は起きにくくなるといわれています。

月経痛が強く、生理のたびに痛みが増す場合は「子宮内膜症」の可能性もあります。

症状がある場合は早めに婦人科を受診しましょう。

 

まとめ

更年期・閉経後は女性ホルモンの分泌量が大きく変化するため、心身ともに不調を感じやすくなります。

ホルモンバランスの変化は膣内環境にも影響を与えるので、今まで以上にデリケートゾーンや膣のケアを心がけることが大切です。

今回紹介した注意するべき症状や病気を参考にして、おりものの量や状態などに異変を感じたら早めに医療機関を受診してくださいね。