デリケートゾーン(陰部)トラブル!かゆみの原因は?進む海外のデリケートゾーンケア

汗をかく時期などは、デリケートゾーン(陰部)がかゆくなりやすいですが、場所が場所だけに掻くことができず困った経験がある方も多いのではないでしょうか。

今回は、かゆみや痛みなど、デリケートゾーンのトラブルの原因について一例を挙げます。

気になる症状がある場合は、自己判断せず、早めの受診をおすすめします。

また、海外のデリケートゾーンケアについても紹介するので、参考にしてくださいね。

 

デリケートゾーン(陰部)は繊細!トラブルが起きやすい

デリケートゾーンは凹凸が多く、汚れもたまりやすい部分です。

うっかりゴシゴシ洗ってしまいがちですが、実はまぶたの皮膚よりも薄い皮膚なので、本来はやさしく洗わなければいけません。

特に女性のデリケートゾーンは、生理用ナプキンなどの刺激を受けたり、下着の通気性の悪さでムレたりしやすいこともあり、皮膚トラブルが発生しやすい部分でもあります

ではさっそく、トラブルの種類ごとに考えられる原因を紹介していきます。

 

デリケートゾーン「かゆみ」の原因

デリケートゾーンのかゆみは他の場所と違って掻きにくいので、より不快感を覚える人は多いでしょう。

デリケートゾーンのかゆみは、以下のような原因が考えられます。

 

接触性皮膚炎     

生理用ナプキンが皮膚に触れると、デリケートゾーンのかゆみの原因になることがあります。

このように、何かしらの物質が皮膚と接触することが刺激となり炎症が起きることを「接触性皮膚炎(接触皮膚炎、かぶれ)」と呼びます。

また、生理用ナプキンやおりものシートを長時間着用すると蒸れやすくなり、これもかゆみの一因になります。

 

性器カンジダ症などの感染症

下記のような感染症によって、つらいかゆみが発生することがあります。

 

  • 性器カンジダ症

性器カンジダ症(女性の場合は外陰膣カンジダ症)は、カンジダ菌によって引き起こされる性感染症のひとつです。

カンジダ菌は性行為によっても感染しますが、膣内の常在菌として、健康な女性でも持っている菌です。

性器カンジダ症は、抗生物質の服用、免疫力の低下などがきっかけとなって、膣の自浄作用が弱まりカンジダ菌が増殖すると発症します。

症状としては、粘度が高い、白い塊が混ざったおりものが見られたり、膣やその周辺のかゆみ、排尿時の痛みなどが生じたりします

このように、初めて性器カンジダ症を発症した場合は、まず婦人科を受診しましょう。

再発の場合は、婦人科を受診する以外にも、市販されている第1類医薬品の塗り薬や膣錠などでの対処も可能です。

なお、ステロイド外用剤はカンジダ症などの真菌症には使用できません。

かえって悪化させる可能性があるので、カンジダ治療薬以外は使用しないようにしましょう。

 

  • 膣トリコモナス症

膣トリコモナス症は、単細胞の微生物である膣トリコモナスが原因で発症します。

感染すると、おりものから強烈なニオイがしたり黄緑色になったりと、おりものに異常が出ます

外陰部や膣に熱く強いかゆみを感じるのも特徴です。

おもに性行為によって感染しますが、タオルや公衆浴場のイスなどを介して感染することもあります。

 

女性ホルモンの減少による乾燥

女性ホルモンエストロゲン」は、20代後半〜30代前半にもっとも多く分泌され、40歳前後から減っていき、45歳頃から激減。

50歳ほどで閉経とともにさらに減少します。

エストロゲンの減少に従って、うるおいのもとになるコラーゲンやヒアルロン酸も減少するため、デリケートゾーンも乾燥状態になって、かゆみを引き起こすのです。

エストロゲンの量が減ると、膣の自浄作用も低下するため、菌の繁殖によるかゆみが起きやすい状況になります。

 

剃毛・脱毛後の肌への刺激

VIO(V:陰部の上部/I:Vラインの下、陰部の両サイド/O:肛門周り)の脱毛後にかゆみを感じる場合もあります。

その原因は、

  • 毛を剃ると断面が太くなり、伸びてくると肌を刺激する
  • 肌のコンディションが悪い状態で剃毛・脱毛をすると、炎症や乾燥を引き起こす
  • アンダーヘアがなくなり、直接、肌が下着に触れることで刺激を受ける

といったものが考えられます。

 

デリケートゾーンの「できもの」の原因

いつの間にかデリケートゾーンに「できもの」ができていた!という経験をお持ちの方は多いはずです。

ここでは、できものの原因をいくつかご紹介します。

 

おしりにもできるニキビ

デリケートゾーンやおしりは、ショーツによる摩擦などの刺激を受けやすいため、毛穴づまりを起こし、これが炎症を引き起こしてしまいます。

そのため、ニキビができやすい場所といえます。

また、蒸れて菌が繁殖しやすいのも、ニキビができる一因です。

 

毛の根元にできる毛嚢炎

毛嚢炎(もうのうえん)は、毛穴の奥に位置する毛嚢(毛包ともいいます)に生じる炎症です。

おもに黄色ブドウ球菌などの細菌によって生じます。

さらに炎症が深部まで広がると、癤(せつ)と呼ばれる腫れあがった状態になり、痛みも出る場合があります

アンダーヘアを剃る際などに皮膚を傷つけてしまうと、そこから細菌が入り込んで発症しやすくなります。

毛嚢炎ができた箇所を清潔に保っても、症状が進行するようなら皮膚科に相談しましょう。

 

尖圭コンジローマ

尖圭(せんけい)コンジローマは、大半が性行為によって感染します。

性器に先のとがったイボのようなものができ、放置すると大きくなったり増殖したりすることもあります。

色はピンクや褐色で、口や喉にできることもあります。

不妊やHIV感染のリスクが高まることもあるので、速やかに婦人科やレディースクリニックで診察を受けましょう。

 

デリケートゾーン「腫れ・痛み」の原因

デリケートゾーンが腫れたり痛んだりすると、不安になる方も多いのではないでしょうか。

毛嚢炎が癤(せつ)になったとき以外にも、腫れや痛みが出る原因があります。

 

バルトリン腺嚢胞・膿瘍

バルトリン腺は腟口の左右にある小さな腺です。

バルトリン腺は粘液を分泌し、これが性交時に潤滑液の役割を担います。

バルトリン腺の開口部が詰まると、粘液が溜まって腫れてしまい、嚢胞(のうほう)になります。

これがバルトリン腺嚢胞です。

 

膣口付近にしこりができた場合、バルトリン腺嚢胞かもしれません。

40歳以上で、バルトリン腺嚢胞が大きくなっていく場合、悪性腫瘍である可能性もあるので、痛みが全くなくても必ず受診することをおすすめします。

さらにバルトリン嚢胞が感染を起こすと中で炎症が生じて膿が溜まっていきます。

これをバルトリン腺膿瘍と呼び、ひどい腫れや痛みを伴って、歩く・座るなどの動作に支障を来たすこともあります。

バルトリン腺脳腫の治療では、抗菌薬の経口摂取やカテーテルによる膿の排出などを行います。

 

性器ヘルペスウイルス感染症

性器ヘルペスウイルス感染症は、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)のⅠ型またはⅡ型の感染が原因です。

性行為により性器や口に感染する性感染症です。

複数の浅めの潰瘍や小さい水疱ができ、強い痛みを伴うケースがある一方、無症状の場合もあるため、気付かずパートナーに感染させている可能性もあります。

月経や疲労などをきっかけに再発を繰り返す人もいます

一般的な治療法は、抗ウイルス薬の経口投与です。

 

陰部の切り傷

外陰部と肛門の間を会陰(えいん)と言います。

この部分が炎症で裂け、痛みを発し、皮膚が弱いと度々、繰り返し生じる場合があります。

繰り返す場合は、ヘルペスが原因のケースもあるので、早めに病院を受診しましょう。

 

デリケートゾーン「ニオイ」の原因

口臭や汗のニオイと比べると、デリケートゾーンのニオイを他人が感じる機会はそう多くはないですね。

ただ、性行為の際や、日常生活で自分自身が気になってしまうのがデリケートゾーンのニオイです。

密かに悩んでいる人も多いと思います。

 

全ての人の性器にはニオイがあります。

健康的な陰部からは、少し酸っぱいようなニオイがします。

ここでは、ニオイの元となる一例をご紹介します。

 

外陰部臭症

デリケートゾーンは、常にショーツに包まれている状態であるうえ、ストッキングやタイツ、タイトなパンツを履いていると蒸れやすくなります。

蒸れによってデリケートゾーンで繁殖した菌が、脂肪やタンパク質などを多く含むアポクリン汗腺から出る汗を分解すると、独特のニオイの原因となる脂肪酸などをつくります。

これが外陰部臭症、別名スソワキガです。

なお、アポクリン汗腺はワキにもあり、同様の原因でニオイを出します。

これは腋臭症、いわゆるワキガです。     

 

粉瘤

何らかのきっかけで皮膚の下に袋状の組織ができ、その袋の中に老廃物や皮脂が溜まってできるしこりを粉瘤(ふんりゅう)と呼びます。

粉瘤の中で細菌感染を起こすと大きくなって腫れてしまい、痛みを生じるケースがあります

粉瘤内部で発生した膿が外へ流れ出すと、悪臭の原因になります。

 

細菌性膣症

体調不良や疲れが溜まっているとき、灰色や白色で、生魚のようなニオイのするおりものが分泌される場合は、細菌性膣症を起こしている可能性があります。

膣内の自浄作用を持つ乳酸菌が減少し、別の細菌が繁殖することで発症します。

その他には先述した通り、おりものが強烈なニオイを発するようになる「膣トリコモナス症」もデリケートゾーンのニオイの原因になります。

 

デリケートゾーン「黒ずみ」の原因

デリケートゾーンの「黒ずみ」にコンプレックスを持ち、悩んでいる女性はかなりいるはずです。

なぜ黒ずんでしまうのか、原因を見ていきましょう。

 

摩擦

デリケートゾーンと下着の摩擦が起きると、それが刺激となって、日焼けの原因物質として知られているメラニン色素の生成が増え、デリケートゾーンが黒ずんでしまいます

また、トイレットペーパーでの拭きすぎも刺激となり、黒ずみの原因になります。

 

かぶれ

生理ナプキンによるかぶれによって、黒ずみを引き起こすこともあります。

生理ナプキンを使用していると蒸れやすくなって、かぶれてしまい、それが刺激となって陰部の黒ずみに発展してしまうのです。

 

女性ホルモンの影響

女性ホルモンの分泌量が多いとメラニンの生成が促進されるため、デリケートゾーンが黒ずみやすくなります。

そのため、女性ホルモンが多く分泌される20〜30代、さらに妊娠中は、黒ずみが目立ちやすくなります。

 

世界のデリケートゾーンケアに関して

日本だと、デリケートゾーンのケアについて人と話しにくい風潮がありますよね。

ケアについて困っていても、人に相談するのは恥ずかしくて抵抗がある、という女性は多いのではないでしょうか。

また、娘さんに対してどこまでケアの仕方を教えればいいのか、そもそも自身の知識が正しいのかわからないというお母さんも多いでしょう。

 

海外に目を移すと、初潮を迎える年頃にデリケートゾーンについての学校教育を受けたり、お母さんが娘さんを婦人科に連れて行き、ピルを使った女性ホルモンの調整を始めたりする国もあるそうです。

デリケートゾーンに関連した知識を学校や家庭で進んで教育するわけです。

さらに、アメリカ、韓国、フランスなどではデリケートゾーンケアを行うことが広まっており、薬局でも種類豊富にケア商品が取り揃えられています。

 

アンダーヘアの処理やデリケートゾーンの洗い方について、母が娘に教えることもあるとのこと。

アンダーヘアを手入れせず生やしたままにすると、経血やおりもの、尿がつきやすく、さらに蒸れやすいため、ニオイの原因になります。

上記のような国では特にニオイを気にする人が多いため、アンダーヘアのお手入れは常識なのです。

 

また、デリケートゾーン用のソープを使って洗うことも浸透しています。

膣のpHバランスを整えるために、乳酸配合のソープなどを使ってケアします。

人に相談できず、デリケートゾーンに不安や悩みを持ったまま生活するのは苦しいものです。

日本でも、アンダーヘアの脱毛をする人が多くなり、デリケートゾーンについて関心が高まってきています。

 デリケートゾーンのケアについて人に相談することや、ケアをすることが常識になれば、悩みから解放される女性は多いのではないでしょうか。

 

デリケートゾーンの悩みを改善する対策・対処法・ケア

ここでは自分でできるデリケートゾーンのケアについて紹介します。

悩みを改善する対処法を正しく行って、快適な生活を目指しましょう。

 

締め付けのゆるい、通気性のよい下着を選ぶ

ぴったりとした下着を履くと、肌への摩擦が強くなるため、刺激により黒ずみの原因になります。

また、通気性もよくないため、蒸れやすくなります。

下着かぶれが起きて、かゆみを引き起こすこともあるでしょう。

そのため、締め付けがゆるくなるよう、大きめのサイズを選ぶのがおすすめです。

ふんどしのような形状をした肌に張り付きにくいデザインのショーツもあります。

 

化学繊維よりも、シルクや綿のような通気性のよい素材を使った下着を選びましょう。

デリケートゾーンを快適に保つためには、ファッション性よりも、形状や素材を重視することが大切です。

 

生理用ナプキンを小まめに変える

生理用ナプキンは長時間使用していると、蒸れてかぶれの原因になりがちです。

かゆみも出ると、ただでさえ気分が落ち込む生理時期がより嫌になってしまいます。

対策は単純で、小まめに生理用ナプキンを取り替えることが一番です。

まだそれほど経血を吸収していないからといって、長時間使い続けるのは避けましょう。

また、素材が肌に合わないようなら、他の生理用ナプキンを試してみる、もしくはタンポンや月経カップに切り替えるのも一案です。

 

洗い過ぎない、ビデを使い過ぎない

このように、おりものやかゆみ、ニオイが気になると、しっかり洗わなければと思いがちですが、膣の中まで自分で洗うのはNGです。

なぜなら、膣内環境を乱してしまうからです。

健康な膣内は、「デーデルライン桿菌」と呼ばれる一部の乳酸菌の働きにより酸性に保たれ、それにより他の細菌の増殖が抑えられています。

膣の中まで自分で洗ってしまうと、膣内環境を乱してしまい、膣内で細菌が繁殖しやすい状態になることがあります。

これは、ビデの使いすぎも同様です。

 

やさしく洗う

デリケートゾーンは、やさしく洗うのが基本です。

本来、顔よりも気を遣って洗わなければいけない場所です。

基本的にはお湯で洗えば十分ですが、ソープ(石鹸)を使って洗いたい場合は、顔を専用のソープで洗うように、デリケートゾーンも専用のソープで洗うのがおすすめです。

ソープはpH3〜5.5ほどの弱酸性のものがおすすめです。

 

デリケートゾーンは複雑な形状をしています。

そこに汗や皮脂、尿・便、さらに経血・おりものと、さまざまなものが混じり合ってできる恥垢(ちこう)が入り込むと、雑菌が繁殖する場となって、ニオイやかゆみの原因になります。

 

恥垢をしっかり落としながらも、強くこすらないように洗うことが大切ですが、膣の中まで洗うのはNGです。

外陰部だけ洗浄するようにしましょう。

また、タオルで拭くときは、ゴシゴシこすらず、押しつけるようにして、水分を吸い取りましょう。

 

ワセリンやベビーオイルで保湿する

顔や腕、脚などと同様に、乾燥するとデリケートゾーンもかゆくなります。

そのため、肌の水分を保つワセリンやベビーオイルを外陰部に薄く塗っておくと乾燥を予防できます。

保湿は、黒ずみ予防にもなるので重要なポイントです。

タイミングとしては、お風呂上りに塗るのがおすすめです。

デリケートゾーン専用のコラーゲンやヒアルロン酸などの保湿成分を配合した保湿液やクリームもあるので、そちらを利用してもよいでしょう。

 

膣内環境を整えるなら乳酸菌を摂る

身体によい影響を与える善玉菌としておなじみの乳酸菌は、腸内環境を整えることで知られています。

腸内環境を整える乳酸菌があるように、膣内環境を整える乳酸菌も存在します。

そんな膣内環境を整える乳酸菌は、サプリメントで補給することも可能です。

膣内環境を整えるためには、膣まで乳酸菌が届かなければなりません。

それが可能なのが「乳酸菌UREX※1(ユーレックス)」です。

 

UREXは、GR-1およびRC-14※2という2種類の乳酸菌をバランスよく配合したものです。

口から摂取すると、胃酸に負けることなく、小腸・大腸もくぐり抜け、肛門に到達すると皮膚を伝って膣にたどり着きます。

そして生きたままの状態で、膣内環境を整える役割を果たします。

 

UREXの特徴は、他の乳酸菌と比較して、長く膣内に滞在すること

つまり、膣内環境をより長時間守ってくれることが期待できます

乳酸菌を増やすことによって膣内を酸性にし、悪玉菌の増殖を抑えることができれば、膣内環境を健康な状態に保てるでしょう。

女性にとって大切な膣内環境を維持したい方は乳酸菌を生活に取り入れる、という方法をお試しください。

※1 :「UREX」はクリスチャン・ハンセン社の登録商標です。

※2 :「GR-1、RC-14」はクリスチャン・ハンセン社の商標です。

 

まとめ

デリケートゾーンは、さまざまなトラブルを起こしやすい場所です。

トラブルの原因を把握して、的確に対処することが大切になります。

原因がわからない、ケアしても状態がよくならない場合は、早めに婦人科やレディースクリニックを受診しましょう。

 

また、海外のようなデリケートゾーンケアが、日本でも当たり前のことになっていく日も近いかもしれません。

デリケートゾーンをケアすることは、まったく恥ずかしいことではなく、女性の健康を守るためにも必要なことです。

日々のケアとあわせて、乳酸菌を取り入れるなどして、デリケートゾーンの健康維持を目指しましょう!