歯の白さは、清潔感や若々しさを印象づける大切な要素です。
しかし、歯は食事や生活習慣など、さまざまな理由で黄ばんでしまうため、歯の白さを保つためにはメンテナンスが必要です。
今回は、お金をかけずに自宅で簡単に歯を白くする方法や、歯科医院でできる歯を白くする方法、歯の白さを保つために日頃から気を付けるべきことについて詳しく紹介します。
歯を白くするにはどうすればよい?
歯を白くする方法は、黄ばみの種類や原因によって異なります。
まずは、歯が黄ばむ原因をみていきましょう。
歯の黄ばみの種類 | 原因 |
飲食物による着色汚れ | 色素を含む飲食物を摂取すると、歯の表面を覆うペリクルと結びついて着色汚れを引き起こす |
タバコによる着色汚れ | タバコに含まれるタールは歯の表面を覆うペリクルと結びついて着色汚れを引き起こす |
磨き残しによる歯石の付着 | 歯石に飲食物の色素が浸透することで黄ばみを引き起こす |
加齢 | 加齢にともない歯の表面にあるエナメル質が薄くなり、内部の象牙質の色が透けて黄ばんで見える。 また、象牙質の色が濃くなることで黄ばんで見える。 |
歯の黄ばみの原因が軽度な着色汚れや歯垢の場合は、歯みがきやセルフホワイトニングといった自宅でできる方法で本来の歯の色に近づけることができます。
しかし、加齢のように歯の内部の状態が原因の場合は、歯の表面の汚れを除去しても歯の色は変わりません。
この場合は、歯科医院に相談して適切な治療を受ける必要があります。
ちなみに、自宅でできるような歯みがきやセルフホワイトニングでは、実現できる歯の白さに限界があります。
より歯を白くしたいときは、歯科医院でのホワイトニングが必要です。
自分でできる!自宅で歯を白くする方法
ここでは、自宅で歯を白くする方法を4つ紹介します。
ただし先述した通り、黄ばみの原因が歯の内部にある場合は、自宅でのケアでは実現することが難しいです。
歯科医で歯を白くする方法については【3.歯科医でできる!安全・簡単に歯を白くする方法】で紹介しています。
正しいやり方で歯みがきをする
着色汚れや歯垢は歯の黄ばみの原因となるため、正しい歯みがきのやり方を身につけて、毎日しっかりと歯の表面の汚れを落とすようにしましょう。
ただし、磨きすぎは逆効果になることもあります。
たとえば、研磨剤入りの歯みがき粉を継続的に使うと歯の表面が傷つき、飲食物の色素が着色しやすくなります。
研磨剤入りの歯磨き粉はたまに使う分には問題ないですが、日常使いするのは避けましょう。
歯磨きは、歯ブラシの毛先が広がらない程度の力で、小刻みに動かすだけで汚れは十分に落ちます。
奥歯や歯と歯の間、歯の根元は歯垢が溜まりやすいため、磨き残しがないように丁寧に磨くようにしましょう。
歯の消しゴムを使用する
歯の消しゴムは、歯の表面を擦り飲食物やタバコのヤニによる着色汚れを落とすデンタルケアアイテムです。
【メリット】
歯の消しゴムは軽い着色汚れであれば即効性があり、汚れが残りやすい歯間もピンポイントでケアできるのが大きなメリットです。
500円前後と価格が安く、ペンタイプやスポンジタイプなどさまざまな商品が揃っており、外出先でもケアができます。
【デメリット】
頻繁に使用すると、消しゴムに含まれる研磨剤が歯の表面を傷つけることで、汚れが付着しやすくなったり歯の内側の象牙質が透けたりして余計に黄ばみが目立つようになる場合があります。
また、ゴシゴシと擦りすぎると歯だけでなく歯ぐきも傷つき、歯ぐき下がりや知覚過敏の原因になります。
日常的には使用せず、使用する際は力の入れ過ぎに注意しましょう。
歯のマニキュアを使用する
歯のマニキュアは歯の表面に塗る専用の塗料のことです。
一時的に歯を白く見せるメイクアイテムで、歯そのものを白くする効果はありません。
【メリット】
1500〜3000円程度で購入でき、使用したその日から歯を白く見せることが可能です。
大事なイベントのときや写真撮影のときなど、1日だけ歯を白く見せたい人に向いています。
【デメリット】
白さをキープできるのは数時間程度で、持続性が低いのがデメリットのひとつです。
また、色ムラができやすく、食事をしたときや唇が当たったときなどに色が落ちることもあります。
歯のマニキュアは歯みがきで落とせますが、しっかりと落とさないと歯垢や汚れが付着する原因になります。
ホワイトニングシールを利用する
ホワイトニングシール(ホワイトニングテープ)は、ホワイトニング効果のある成分を配合したシールのことで、歯の表面に貼り付けて歯を白くします。
日本製のホワイトニングシールは歯の表面の汚れを落とす作用のある成分が配合されており、元の歯の色に戻す効果が期待できます。
【メリット】
歯科医院のホワイトニングよりも費用をかけず、自宅で手軽に歯を白くできます。
【デメリット】
漂白作用のある高濃度の過酸化水素が配合された海外製のホワイトニングシールを使った場合、知覚過敏が起きたり、神経がダメージを受けたりするリスクがあります。
また、ホワイトニングシールがうまく貼れていないと、歯がまだらに白くなる場合もあります。
日本では、高濃度の過酸化水素を配合したホワイトニングアイテムの販売が認められていないため、日本製のホワイトニングシールでは本来の歯以上に白くすることはできません。
歯科医でできる!安全・簡単に歯を白くする方法
歯を本来以上に白くしたい場合には、歯科医院でホワイトニングを受けるのがベストです。
歯科医院でのホワイトニングは、医療機関以外での使用が禁止されている漂白成分(過酸化水素や過酸化尿素)を含む薬剤を使用します。
そのため、自宅のケアでは難しいような白さにすることも可能です。
歯科医院のホワイトニングの種類は、大きく分けてホームホワイトニング・オフィスホワイトニング・デュアルホワイトニングの3つです。
また、神経のない歯を白くしたい場合は、ウォーキングブリーチという方法があります。
それぞれの特徴の違いを確認してみましょう。
ホームホワイトニング
金額(目安) | 20,000〜40,000円 |
通院回数(目安) | 基本的に通院の必要なし |
持続期間(目安) | 6ヶ月〜1年程度 |
おすすめの人 |
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ホームホワイトニングは歯科医院で処方された薬剤と自分の歯型に合わせて作成したマウスピースを使い、自宅で薬剤を塗布したマウスピースを装着して歯を白くする方法です。
薬剤を追加購入するとき以外は、基本的に通院の必要はありません。
作用が穏やかで効果を実感するまでに約2週間程度かかりますが、持続性が高く色が後戻りしにくい特徴があります。
オフィスホワイトニング
金額(目安) | 1回:20,000円〜50,000円 |
通院回数(目安) | 1〜2週間に1回のペースで3〜5回程度 |
持続期間(目安) | 3ヶ月〜1年未満 |
おすすめの人 |
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オフィスホワイトニングは歯科医院での施術となり、薬剤を歯に塗り特殊なライトを照射して歯を白くします。
歯科医師や歯科衛生士が施術することから安全性が高く、高濃度の薬剤を使用するため1回の施術でその日に白さを実感しやすいです。
ただし、ホームホワイトニングと比べて持続性が低く費用がかかり、一時的にしみるような痛みが出る可能性があります。
デュアルホワイトニング
金額(目安) | 50,000~80,000円 |
通院回数(目安) | 1〜2週間に1回のペースで3〜5回 |
持続期間(目安) | 1〜2年 |
おすすめの人 |
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デュアルホワイトニングは歯科医院でオフィスホワイトニングを受けた後、自宅でホームホワイトニングを行う施術方法です。
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを併用することで、短期間で効果を実感できる、後戻りしにくいといったメリットがあります。
2つのホワイトイングを併用するため費用はかかりますが、希望の白さに近づけることができます。
ウォーキングブリーチ
金額(目安) | 歯1本:10,000円〜30,000円 ※レントゲン・諸経費込み |
通院回数(目安) | 1週間に1回のペースで4~5回 |
持続期間(目安) | 数ヶ月〜1年 |
おすすめの人 |
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神経のない歯を白くしたい場合は、一般的なホワイトニングではなくウォーキングブリーチによる施術が効果的です。
ウォーキングブリーチは歯の裏側を少し削り、内部に薬剤を充填して歯を白くする方法です。
1〜2週間ごとに薬剤を交換し、希望の色になるまで数回繰り返して詰め物で封をします。
歯1本から施術可能で、歯の変色による歯ぐきの黒ずみへの効果も期待できます。
歯の白さを保つために日頃から気を付けるべきこと
ここでは、歯の白さを保つために日頃から気を付けるべきことを紹介します。
研磨剤で歯の表面を傷つけない
ホワイトニングを謳った歯みがき粉には、研磨剤が入っているものが多くあります。
研磨剤入りの歯みがき粉を継続的に使うと歯の表面が傷つき、飲食物の色素が着色しやすくなります。
とくに、研磨剤入りの歯みがき粉と電動歯ブラシを兼用すると、歯の表面が傷つきやすく、着色や黄ばみの原因になるので注意が必要です。
研磨剤を使用しなくても、清掃剤配合の歯みがき粉を使用して正しく歯みがきを行えば、歯垢や着色は十分防ぐことができます。
歯みがき粉は成分を確認して、歯に負担がかからない商品を選びましょう。
歯を着色する食べ物・飲み物に気を付ける
ポリフェノールを多く含む飲食物や色の濃い飲食物は、歯を着色させます。
歯の着色汚れを防ぎたいときは、歯に着色しやすい食べ物や飲み物はなるべく控えるようにしましょう。
また、口腔内を酸性化させる食べ物や飲み物は、歯の表面のミネラル分が溶け出す「脱灰」を引き起こして歯の着色を促してしまいます。
【歯に着色しやすい飲食物】
コーヒー・お茶・赤ワイン・カレー・チョコレート・ブルーベリー・ざくろ・調味料(ソース・焼き肉のタレ・醤油・ケチャップ)など
【着色を促す飲食物】
炭酸飲料・アルコール・スポーツドリンク・柑橘類・お酢・梅干しなど
着色しやすい飲食物を摂取したときは、食後に水で口をゆすいだり歯みがきをしたりして着色汚れを防ぎましょう。
タバコをやめる
タバコに含まれるタールは着色汚れの原因となります。
また、タールは粘着性が高いことから、歯垢や歯石、飲食物に含まれる色素が付着しやすくなります。
ヤニ取りパイプを使用する・タバコを吸った後は歯を磨くといった対策方法もありますが、歯の白さを保ちたい人は禁煙をするのがベストです。
口腔内が乾燥しないようにする
唾液には、口腔内の汚れを洗い流す自浄作用があります。
そのため、唾液量が少なく口腔内が乾燥している人は、歯に着色汚れがつきやすくなります。
無意識に口呼吸をしている人は、口腔内が乾燥しやすくなるので注意が必要です。
口腔内が乾燥すると、着色汚れがつきやすくなるだけでなく、むし歯や歯周病のリスクも高まります。
口腔内の乾燥を防ぐためには、以下のような対策が有効です。
- こまめに水分を摂取する
- よく噛んで食べる
- ガム等を噛む
これらの対策をすることで、口腔内の乾燥を防ぎ、歯を健康に保つことができます。
定期的に定期検診やクリーニングを受ける
歯石は、歯垢が長時間放置されることで石灰化したものです。
どんなに自宅でのケアを頑張っても、磨きにくい奥歯や歯の隙間は歯石ができやすいです。
歯石になると自宅でのケアでは除去することができないため、定期的に歯科医院で定期検診やクリーニングを受けるようにしましょう。
定期検診では歯や歯ぐきの状態を確認し、歯のクリーニングでは歯垢や歯石、着色汚れを除去してもらうことができます。
定期的に歯のクリーニングを受けることで、本来の歯の色を維持しやすくなります。
また、定期検診を受けることで、むし歯や歯周病を早期発見・早期治療できるメリットもあります。
歯のクリーニングは自由診療で受けられる施術のため、着色汚れを除去して歯をキレイにしたいときに受診することも可能です。
まとめ
歯の白さは、清潔感や若々しさを印象づける大切な要素です。
歯が黄ばんでいると、老けて見えたり、不健康に見えたりするので、日頃から適切なデンタルケアを心がけましょう。
着色汚れや歯垢が黄ばみの原因なら、飲食物やタバコを控える・歯みがきを徹底するなど自宅でできる方法で効果が実感できることもあるでしょう。
しかし、歯の黄ばみの原因はさまざまで、歯科医院でしかケアできない場合も少なくありません。
歯を白くするには歯の状態や黄ばみの原因に合わせたケアが必要になるため、日常的なケアで効果が実感できないときは歯科医院を受診することをおすすめします。