排卵日はいつ?排卵当日のおりものの状態や妊娠しやすいタイミングを解説!

赤ちゃんがほしいと思っても、なかなかうまくいかないこともあります。
妊娠希望の人にとって排卵日を知ることはとても大切です。
そこで今回は、排卵日を予測する方法と排卵当日のおりものの状態や妊娠しやすいタイミングについて詳しく解説します。
妊娠のしくみがわかれば、赤ちゃんを迎えるのに何が必要か見えてきます。今やるべきことを把握して、できることから始めましょう。

1.排卵日とは

そろそろ赤ちゃんがほしいなと思って妊活を始めると、多くの人が「排卵日」という言葉と出会います。
排卵日とは、卵巣の中で育った卵胞の壁が壊れて卵子が排出される日のことをいい、排卵日の前後は妊娠しやすいといわれています。
妊娠確率を上げるために自分の排卵日はぜひ知っておきたいところですが、排卵しても自覚症状がないだけに、いつ訪れるのかわかりにくいのも事実です。
排卵日を知るためにも、まずは排卵のしくみと体に起こる変化について見てみましょう。

1-1.排卵と妊娠の仕組み

排卵前の卵子は卵巣の中にあり、多くの細胞が周りを取り囲んで卵子を守っています。この状態を卵胞といい、卵巣の中には複数の卵胞が存在します。
月に1度、脳の視床下部から卵胞のうちの1個を成熟させるよう命令が出て、卵胞刺激ホルモンが分泌されます。刺激を受けた卵胞は促されるままに成熟し、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌するようになります。卵胞ホルモンは女性ホルモンのひとつで、妊娠に備えて子宮内膜を厚くする働きがあります。

卵胞が十分に成熟すると、今度は黄体化ホルモンが分泌され、排卵するよう促します。これを受けて卵胞の膜が破れ、中から卵子が排出されます。これが排卵です。
排卵後、卵子が精子と出会って受精すれば、受精卵となって子宮へ送られ、子宮内膜に着床することになります。
しかし受精しなければ厚くなった子宮内膜は不要となるため、剥がれ落ちて、月経として体外に排出されます。

卵胞の成熟や排卵を促すホルモンは、脳の視床下部によってコントロールされています。視床下部には自律神経の中枢があるため、自律神経の乱れ・ストレスなどがホルモンバランスに影響を与え、月経周期の乱れを招くこともあります。
そのため妊活においては心身の健康も重要になってくるといえます。

1-2.排卵日近くになるとおりものが増える

排卵の影響はおりものにも現れます。
おりものには細菌が膣内へ侵入するのを防ぐ自浄作用の他に、精子の受け入れをスムーズにして受精を助ける働きがあります。
たいていのおりものは、膣上皮から分泌されていますが、排卵期には子宮頸管粘膜の上皮細胞から粘り気のあるおりものが多く分泌されるようになります。

排卵自体には自覚症状はありませんが、おりものの量が増え、粘り気が出てきたら排卵日が近づいたサインといえるでしょう。
排卵日を過ぎると黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増えるため、おりものの量は減り、白いかたまりのような状態になることもあります。

1-3.基礎体温で排卵日を予測

排卵日は基礎体温によっても予測できます。
基礎体温は女性ホルモンの影響を受けるため、月経周期が安定していれば、毎日の体温を記録することで排卵日の目安をつけやすくなります。

体温計で測定した基礎体温をグラフにすると、女性ホルモンに問題がなければ、グラフは低温期と高温期の二相に分かれます。28日周期であればそれぞれ14日ずつ、28日よりも長い場合は、低温期の方が長くなるのが一般的です。
排卵が起きるのは低温期から高温期に移行するころで、基礎体温はいったん下がり、それから上昇し始めます。この前後3日間のうちに排卵が起きることが多いといわれており、このタイミングで性行為をすることで妊娠確率が上がると期待できます。

ただし月経周期や基礎体温には個人差があります。また、40代を過ぎると低温期と高温期に分かれていても無排卵のことが増えていきます。もし基礎体温が二相に分かれていなかったり、自分の体調に不安があったりするようなら、早めに産婦人科に相談しましょう。

2.排卵期のおりものの状態

ここでは、排卵期のおりものの状態について、月経直後のおりものとあわせて説明します。

※おりものを取って確かめる際は、手をよく洗って清潔な状態でおこなってください。

2-1.【排卵日直前(2~3日前)】よく伸びるおりもの

排卵日が近づくと卵胞ホルモンの分泌が盛んになり、おりものの量も増えていきます。
伸びるおりものは、排卵日直前(2~3日前)がピークです。この時期になると卵白のようなトロっとした透明のおりものが多く出るようになります。
おりものを指に取って広げてみると、10㎝以上も糸を引くほどよく伸びるのが確認できます。

2-2.【排卵日当日~排卵後】やや伸びるおりもの

排卵日当日を迎えると、卵胞ホルモンの分泌はおさまり、代わりに黄体ホルモンが増えていきます。
おりものの粘り気はピーク時に比べると若干弱くなりますが、それでも指で伸ばせば4~5cm程度糸を引くほどの粘性は残っています。
また、排卵後はおりものの量が減り、見た目も透明から白っぽい色へと変わるのも特徴です。

2-3.【生理直後】ほとんど伸びないおりもの

排卵した卵子が精子と出会って受精卵になれば着床して妊娠が成立しますが、着床が起こらなかった場合は子宮内膜が剥がれ落ち、生理が始まります。
生理が終わるとおりものはほとんどなくなりますが、2~3日経つとまた出るようになります。しかし量は少なく、指につけて広げてもほとんど伸びません。

 

3.妊娠確率が高いタイミング

排卵前後の女性の体は妊娠しやすいよう変化していきます。卵子が精子を迎え入れる準備が整ったタイミングで精子を送り込むことができれば、妊娠の確率は高まります。
ここでは、妊娠確率が高いタイミングの計り方を見ていきましょう。

3-1.卵子の寿命は約1日

卵子が受精の準備をして精子を待ち構えているのであれば、排卵後はいつ性行為をしても妊娠するように思えますが、実はそうではありません。
一般的に排卵後の卵子の寿命は約1日といわれています。妊娠するためには卵子の準備が整ってから24時間以内に精子を届ける必要があるということです。もし卵子の寿命内に受精できなければ、次の排卵まで待つことになります。

3-2.精子の寿命は約3日

卵子の寿命が1日であるのに対して、精子の寿命は約3日です。
精子の方が寿命が長いので、精子が先に子宮に入って卵子を待った方が妊娠する確率は上がります。

そのため、生理が終わってから排卵日まで2~3日おきに性行為をすれば、常に精子が子宮内で待機している状態になります。しかし、仕事や日常生活もありますから、負担が大き過ぎると感じる人も多いでしょう。また、義務のようになってしまってはストレスになり、心身の健康によくありません。
回数に頼らず妊娠確率を上げるには、妊娠しやすいタイミングを逃さないことが大切です。妊娠する確率が高い日を把握し、それに合わせて性行為のタイミングを取りましょう。

3-3.妊娠確率が高いのは排卵日の2日前

一般的に妊娠確率が高いのは排卵日の2日前といわれています。
排卵日の2日前から精子が子宮内に待機していれば、排卵が起きた時に受精しやすくなります。そのため妊娠希望の人は基礎体温やおりものの状態から排卵日を予測して、その2日前あたりにタイミングを取るのがおすすめです。

また、市販の排卵日予測検査薬も参考になります。排卵検査薬は、排卵を促す黄体化ホルモンを尿から検出して排卵日を予測するものです。
ただし、検査薬のほとんどは排卵日の前日または当日に陽性反応が出るので、妊娠率がもっとも高いとされる排卵日2日前を検査薬だけで捉えることはできません。
そのため、生理後から検査薬を使い続け、自分の排卵日のパターンを把握していきましょう。毎月続けることで、生理終了の何日後のタイミングで検査薬が陽性になるかがわかるようになるはずです。そうなれば排卵日も予測しやすくなり、排卵2日前の見当もつけやすくなります。

排卵日が近づくとさまざまな兆候が現れますから、体のサインもあわせて確認しながら予測の精度を高めていきましょう。

 

4.妊娠したときのおりもの

卵子と精子が無事に出会って受精し、受精卵が着床すると妊娠が成立します。お腹に赤ちゃんが宿ることで母体は大きく変わっていきますが、おりものにも妊娠特有の変化が現れます。
ここでは、妊娠したときのおりものについて説明します。

4-1.水っぽいおりものが増える

通常の月経周期では排卵日を過ぎると、おりものの量は少なくなります。
しかし、妊娠すると逆におりものは増えます。これは黄体ホルモンの影響です。
黄体ホルモンは妊娠を維持する働きがあり、妊娠しなかった場合、黄体ホルモンの分泌量は少なくなりますが、妊娠が成立すれば黄体ホルモンの分泌量は維持され、おりものの量も多くなります。

一般的に、妊娠するとさらさらした水っぽいおりものが増えるといわれています。またニオイも酸っぱさを感じやすくなるともいわれています。しかし、個人差があり、妊娠しても普段とおりものの量やニオイが変わらないというケースもあります。

4-2.茶色・ピンク色のおりものが出ることもある

妊娠すると茶色・ピンク色のおりものが出ることがあります。原因のひとつとして考えられるのが着床出血です。
受精卵が子宮へと移動して、子宮内膜に着床すると妊娠が成立しますが、着床の際に子宮内膜が傷ついて出血することがあります。これを着床出血といいます。

生理予定日の1週間前から予定日前後で、おりものがピンク色に見えたり茶褐色に見えたりする場合は着床出血の可能性があります。
着床出血の場合1~2日ほどでおさまることが多いですが、万が一出血が長引いたり、かゆみ・痛みがあったりする場合は病気の可能性もあります。できるだけ早めに病院を受診しましょう。

 

まとめ

妊娠を望むのであれば、排卵日を知ることはとても大切です。
一般的にもっとも妊娠しやすいのは排卵日の2日前といわれています。できれば、それに合わせてタイミングを取りたいものですが、残念ながら排卵日は、はっきりわかる自覚症状があるわけではありません。そのため、排卵の影響で起こる様々な体調変化を確認しながら、排卵日を予測していきましょう。

排卵前後にはおりものの状態も変わっていきます。
排卵が近づくと、精子が卵子にたどり着きやすくするため、おりものに粘り気が出てきます。一番伸びがよくなるのが排卵日直前(2~3日前)といわれています。
おりものの状態をこまめに観察していれば、排卵日が近いことが分かるようになるでしょう。

もっとも体調には個人差がありますから、生理周期と体調変化を普段からよく観察し、自分ならではのパターンを把握するようにしましょう。
ホルモンバランスが整っているときの自分の状態がわかっていれば、体に異常が起きてもすぐに気づくことができます。
赤ちゃんが宿る大切な体ですから、日頃から健康に気を配るよう心がけましょう。