おりものが茶色いのはなぜ?生理前後や妊娠・病気のケースを徹底解説!

茶色いおりものが出たとき、原因がわからないと「もしかして病気?」と不安を感じてしまうものです。

茶色いおりものは、生理・妊娠・病気などが関わっていて、正常なケースもあれば注意が必要なケースもあります。

今回は、おりもののセルフチェック・茶色いおりものの原因について詳しく紹介します。

早めに婦人科・産婦人科を受診した方がいいケースもあるので、茶色いおりものが出ている人は確認してみましょう。

 

【色別】おりものセルフチェック!

はじめに、正常なおりものと要注意なおりものの色を紹介します。

自分のおりものの色を確認して、セルフチェックしてみましょう。

※おりものの色には個人差があるため、上記の色はあくまでも目安として参考にしてください。 

正確な診断は婦人科・産婦人科を受診しましょう。 

 

①正常なおりものの色

正常なおりものは透明・乳白色で、下着について乾くと薄い黄色に見えることもあります。

ただし、白色で酒粕・カッテージチーズ・クリームのような状態になっている、悪臭がするというときは、膣や子宮の病気の可能性があるので注意が必要です。 

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②血液が混ざっているおりものの色

薄い茶色・茶褐色・ピンク色・茶色のおりものが出ているときは、おりものに血液が混ざっている可能性があります。

血液がおりものに混ざる原因は、生理や妊娠、膣や子宮の病気などさまざまです。

 

③雑菌が繁殖しているおりものの色

濃い黄色のおりものが出ているときは、膣内で雑菌が繁殖している可能性があります。

膣内に炎症が起きていたり、感染症や子宮・卵巣の病気によっておりものが黄色くなったりするケースもあります。

 

おりものが茶色いのは出血が原因!

正常なおりものは透明・乳白色で、おりものに血液が混ざっていることで茶色く見えています。

では、出血の原因にはどのようなものがあるのか、詳しく解説していきます。

 

生理前・生理後や排卵期の茶色いおりものは正常

「茶色いおりものが生理前に出るのはなんで?」「排卵期になると茶色いカスが出る」という人も多いのではないでしょうか。

生理前・生理後や排卵期に出る茶色いおりものは、生理周期が関わっています。

 

【生理前・生理後】

生理のときは、子宮内膜が少しずつ剥がれて経血となるため、生理直前のおりものに多少の血が混ざっているのは正常な状態といえます。

生理直後のおりものが茶色くなるときも同様で、まだ排出しきれていない経血の残りが混ざっているのは、正常な状態といえます。

 

【排卵期】

排卵期は、女性ホルモンの変化によって生理のような出血(中間期出血)が起こり、茶褐色ピンク色のおりものが出ることがあります。

生理前・生理後・排卵期の茶色いおりものは自然な現象によるものなので、正常な状態といえます。

 

生理前後の茶色いおりものが長引くときは?

生理前後や排卵期であっても「茶色のおりものは何日続くの?」と疑問を持つ人もいるでしょう。

生理前後の茶色いおりものが1週間以上続くときは、早めに婦人科・産婦人科を受診することをおすすめします。

生理前後の茶色いおりものは、経血が混ざることが原因となっているケースが多いですが、いつまでも長引くのであれば他に原因があるかもしれません。

生理時以外での性器からの出血は、不正出血の可能性があります。

不正出血はホルモンバランスの乱れや病気のケースもあるので、注意が必要です。

 

生理がこない!着床出血(妊娠初期)の茶色いおりもの

茶色いおりものが出て「生理がこない…」というケースは、妊娠による着床出血の可能性があります。

妊娠の心当たりがある人は、着床出血について確認してみましょう。

 

着床出血とは?

着床出血とは、受精卵が着床するときに起こる出血のことです。

性行為によって精子と卵子が受精すると受精卵となり、子宮内膜に潜り込んで着床しますが、その際に子宮内膜が傷ついて出血することがあります。

着床出血は着床時に必ず起こるものではありませんが、妊娠が成立したサインです。

生理が予定通りに来なく茶色いおりものが出ているときは、着床出血の可能性が考えられます。

 

着床出血の特徴

着床出血には以下のような特徴があります。

着床出血がある時期妊娠4週頃。生理予定日前後にあることが多い

(※生理周期28日のケース)

出血期間の目安1〜2日、長くて3〜4日程度
出血量下着が少し汚れるくらいの少量の出血

生理の出血と比べると少ないことが多い

着床出血の色
  • 出血からすぐに出てきた鮮血…鮮やかな赤い色
  • おりものに混ざって出てきた血液…ピンク色・茶色
  • 出血から時間が経過した古い血液…茶褐色

着床時期の体調変化には個人差がありますが、茶色いおりものの他にも以下の症状が出ることがあります。

  • 基礎体温で高温期が続く
  • 下腹部の痛みがある
  • 胃の不快感がある

体調に変化があったときは、早めに婦人科・産婦人科を受診することをおすすめします。

 

【要注意】ストレスや病気による茶色いおりもの

生理前後・排卵期・妊娠による茶色いおりものの特徴に当てはまらないときは、ストレスや病気が関わっているかもしれません。

茶色いおりものが出る原因として可能性のあるものを確認してみましょう。

※茶色いおりものはさまざまな要因で引き起こされるため、ここで挙げる体調の変化・疾患が原因のすべてではありません。

 

ストレス・ホルモンバランスの乱れ

ストレスや思春期・更年期のホルモンバランスの乱れが原因となり、不正出血が起き、茶色いおりものが出ることがあります。

 

【ストレス】

脳には、女性ホルモンや自律神経をコントロールしている「視床下部」という部分があります。

視床下部はストレスの影響を受けやすいため、環境の変化や睡眠不足・人間関係の悩みなど、心身に過剰な負担がかかっていると女性ホルモンや自律神経が乱れ、それが原因となって不正出血が起き、茶色いおりものが出ることがあります。

茶色いおりものに加えて、以下の体調不良を感じているケースでは、ストレスが関係している可能性があります。

  • イライラや気分の落ち込み
  • 肌荒れ
  • 便秘

ストレスによる茶色いおりものの対策は、ストレスの発散と規則正しい生活を送ることが大切です。

 

【思春期・更年期のホルモンバランスの乱れ】

思春期は、女性ホルモンの分泌が活発になることにより、ホルモンバランスが大きく乱れます。それが原因となり不正出血が起き、茶色いおりものが出ることがあります。

また、茶色いおりものが出る以外にも、思春期は、経血量が増えて血液のかたまりが出る月経過多、腹痛や下痢などが起こる月経困難症・PMS(月経前症候群)になりやすい時期です。

更年期(閉経前後5年間の約10年間)は、女性ホルモンが減少することにより、ホルモンバランスが大きく乱れます。

それが原因となり、不正出血による茶色いおりものが出ることがあります。

 

子宮頸管ポリープ

「子宮頸管ポリープ」は、子宮の下部にあり膣とつながっている子宮頸管の粘膜にできるキノコ状のイボのことです。

子宮頸管ポリープは、女性ホルモンの影響・炎症・分娩・流産などが関係していると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。

子宮頸管ポリープの組織は柔らかく、少し刺激されるだけでも出血しやすいため、子宮頸管ポリープがあると茶色いおりものが出ることがあります。

性行為や激しい運動などで子宮頸管ポリープからするケースも多く、ポリープ自体が大きくなると刺激を与えなくても出血しやすくなります。

 

子宮筋腫

「子宮筋腫」は子宮の筋肉にできる良性の腫瘍のことで、成人女性の約4人に1人はかかる病気といわれています。

原因ははっきりしていませんが、女性ホルモンの影響を受けると発育して大きくなると考えられています。

子宮筋腫の種類は大きく3つに分けられます。

 

【粘膜下筋腫】

子宮の内側にできる筋腫。

経血量が多くなるため、月経過多による貧血や不妊症の原因になることがあります。

 

【筋層内筋腫】

筋層内にできる筋腫。

大きくなると経血量が増えたり不妊の原因になったりすることがあります。

 

【漿膜下(しょうまくか)筋腫】

子宮壁のもっとも外側にできる筋腫。

大きくなると頻尿・便秘などの症状が起こることがあります。

子宮筋腫ができると、生理以外の不正出血や茶色いおりものが出ることがあります。

また、粘膜下筋腫は子宮内膜がただれて分泌物が出るので、水っぽいおりものが多くなりやすいのも特徴です。

 

子宮体がん・子宮頸がん

茶色いおりものが出ているときは、子宮がんの子宮体がん・子宮頸がんの可能性もあります。

 

【子宮体がん】

子宮体がんは子宮内膜にできるがんで、女性ホルモンの影響によって発生すると考えられています。

子宮体がんの年代別の発生率は、40代から増え始め、閉経後の50〜60代がもっとも多くなるといわれています。

子宮体がんは、初期の段階で不正出血が起こることがあり、茶色や黄色のおりものが症状として現れるケースもあるので要注意です。

他にも、腹痛・腰痛などの痛みを感じることがあります。

 

【子宮頸がん(子宮頚がん)】

子宮頸がんは、子宮の入り口付近(子宮頸部)にできるがんで、20代後半から増え始め、40代がピークになります。

子宮頸がんが進行すると、生理以外や性交時に出血したり、茶褐色のおりものが増えたりすることがあるので要注意です。

 

クラミジア感染症

「クラミジア感染症」は、クラミジア・トラコマチスという微生物の感染により起こる性感染症です。

女性は無症状のケースが多いです。

しかし、人によって以下の症状が現れることもあります。

  • 水っぽいおりものが増える
  • 茶色や黄色のおりものが出る
  • 臭いがきついおりものが出る

 

自覚症状がなくても、放置すると卵管炎・肝周囲炎などを引き起こしたり、子宮外妊娠・早産・流産・不妊症などの原因になったりすることがあるので注意が必要です。

また、発症に気づかないままパートナーにうつしてしまったり、妊婦さんは出産の際に赤ちゃんに感染させたりする恐れもあります。

いずれも、いつもと違うおりものが出たら、婦人科・産婦人科の早期受診をおすすめします。

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まとめ

生理前後や排卵期には、おりものに少量の血液が混ざって茶色いおりものが出ることがあります。

生理周期による茶色いおりものは、数日で止まれば正常の範囲といえます。

ただし、以下のケースは注意が必要です。

  • 茶色いおりものが長く続いている
  • 生理がこない
  • 他に体調不良を感じている

このようなときは、妊娠や病気の可能性もあります。

 

今回の記事で紹介した茶色いおりものの原因は、あくまでも一部であり、他の病気が潜んでいるケースもあります。

おりものの変化に気づくには、いつものおりものの状態を確認しておくことが大切

いつもと比べて「明らかにおりものの色が違う」「ニオイや量がおかしい」と感じたら、自己判断せず早めに婦人科・産婦人科を受診するようにしましょう。