口臭のこと

口臭の原因

ほとんどの場合、口内に原因があります

口臭は、色々な原因で起きますが、副鼻腔炎や糖尿病といった全身疾患によるものは実はあまり多くなく、原因のほとんどは口内にあります。
主な口臭の原因物質である臭気ガスは、口の中の細菌がはがれた粘膜上皮、細菌の死骸、食べかす等のタンパク質を、細菌が分解する際に発生します。
主な臭気ガスは3種類ありますが、中でも「硫化水素」というガスは毒性があり、口臭レベルの濃度であっても直接嗅げば、吐き気や睡眠障害を引き起こす可能性があるものです。また、歯周組織を傷害し、歯周病を悪化させることもありますので、口臭予防はからだの健康のためにも重要です。

口臭の種類

口臭の種類を知り、それぞれに合った対処法をとりましょう

生理的口臭

生理的口臭は誰にでもあるもので、起床直後、空腹時、緊張時、疲労時等に唾液の分泌が減り、細菌が繁殖して口臭ガスを産生することによって起こります。
逆に、食事や歯みがき等で唾液の分泌が増え、細菌が減少すると弱まります。

女性の場合は、月経時、妊娠時、更年期等にホルモンの影響で生理的口臭が出やすくなることがあります。

飲食物・嗜好品による口臭

ニンニク、ニラ、ネギ等においの強い食品や、アルコールの摂取による口臭は、体内に吸収された口臭の原因物質が血液循環によって肺に運ばれ、呼気として吐き出されるもので、歯みがきをしてもにおうことがあります。この口臭は時間が経つとなくなります。

タバコもニコチン・タール等が歯や粘膜に沈着し、口臭の原因となります。

病的口臭

病的口臭は、鼻や喉、呼吸器疾患、肝臓病・糖尿病等の病気が原因で起こることもありますが、原因の9割以上は口の中にあります。例えば、歯垢、むし歯、歯周病、入れ歯の清掃不良等がありますが、中でも最大の原因は、舌苔(ぜったい)です。舌苔は、細菌や食べかす等が舌の中央から後方部に付着して白色または黄褐色、または黒色の苔状に見えるもので、タンパク質を多く含みます。口臭の原因の6割を占める他、味覚異常や誤嚥性肺炎の原因にもなります。
病的口臭は、原因となる病気の治療が必要となります。


舌苔

歯周病菌は悪臭の強いガスを大量に産生するため、歯周病があると強烈な口臭がでます。
また、内臓の病気が原因の場合は、病気特有の口臭がでることがあります。

口臭ケア

セルフ・ケア 口内の清潔を保ち、乾燥を防ぐ

口臭の原因である細菌をなるべく減らすために、口内の清潔を保ちましょう。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロス、舌ブラシを使用して、部位にあわせたケアを行うことが大切です。その上で、定期的に自分の目で見て、歯ぐきの出血や腫れ、舌苔等を確認しましょう。
また、口内の乾燥を防ぎ潤すように心がけることも、細菌の繁殖を防ぎ、口臭予防につながります。
もちろん、充分な睡眠やバランスの良い食生活で、からだ全体の健康状態を整えることも大切です。

歯間ブラシ 舌ブラシ バランスの良い食生活

専門ケア 歯科医院でのアドバイス・治療で早期対策

セルフケアでは防ぎきれない部分をカバーするため、定期的に歯科検診を受けましょう。むし歯や歯周病等の疾患の早期発見・治療はもちろん、歯のクリーニングや歯石除去を行ってもらうことで口臭予防になります。また、歯みがきはどうしても自分の癖が出やすいため、歯科医院で正しいブラッシングの指導を受けましょう。

歯科検診 口腔清掃指導

口臭は、なかなか自分では気がつきにくいものです。相手の表情やしぐさで「もしかして...?」と不安になり、それが過剰になると実際には口臭がないのに、あると思い込む心因性の口臭につながる場合もあります。不安な場合は、口臭検査を行いましょう。検査方法には、官能検査や口臭測定器によるものがあります。
口臭があると判定された方も、問題はない方も、日頃からの口臭ケアを心がけましょう。