デリケートゾーンの悩みについて調べていると、「膣内フローラ」という言葉が出てくることがあります。
膣内フローラとは、どのようなものなのでしょうか。
今回は、
- 膣内フローラの意味
- 膣内フローラが乱れるきっかけ
- 膣内フローラの乱れに関係するトラブル
- 膣内フローラを良好に保つ方法
について紹介します。
膣内フローラとは
はじめに、膣内フローラの意味や特徴を確認してみましょう。
膣内にはさまざまな細菌がいる
腸内細菌のバランスを整える「腸活」が注目されていることから、腸内に善玉菌や悪玉菌などの細菌が棲みついていることを知っている人もいるのではないでしょうか。
腸内に生息する細菌の集まりは「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」といいます。
腸内細菌叢は「腸内フローラ」と呼ばれることがあります。
腸内と同じように、膣内にも様々な細菌が生息していて、その細菌の集まりを「膣内細菌叢(ちつないさいきんそう)」といいます。
膣内細菌叢は「膣内フローラ」と呼ばれることがあります。
健康的な膣内フローラ
健康的な膣内フローラの大半を占めるのは、デーデルライン桿菌とも呼ばれる乳酸桿菌(乳酸菌の一種)です。
乳酸桿菌は乳酸などをつくり出して膣内を酸性に保つことで、雑菌が膣内へ侵入したり膣内で増殖することを防ぐことに役立っています。
乳酸桿菌はいわゆる善玉菌、増殖した雑菌はいわゆる悪玉菌といえます。
膣には、このような乳酸桿菌の働きやおりものの働きなどにより、雑菌が膣内へ侵入したり膣内で増殖することを防ぐ自浄作用があります。
何らかのきっかけで膣内フローラが乱れると、さまざまなトラブルにつながる可能性があるため、膣内フローラを整えることが大切です。
膣内フローラが乱れるきっかけ
膣内フローラの乱れは、女性ホルモンの影響や生活習慣など、さまざまなことがきっかけになります。
ここでは、膣内フローラが乱れるきっかけを5つ紹介します。
ホルモン量の変化
乳酸桿菌は、膣上皮細胞内のグリコーゲンを使って乳酸を作り出しています。
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少すると、その影響を受けて、膣内の酸性度が弱まり、膣内の乳酸桿菌が減ります。
乳酸桿菌が減ることで、膣内フローラが乱れるきっかけになります。
ストレス
睡眠不足や疲労などのストレスにさらされ続けると、膣内フローラが乱れるきっかけとなることがあります。
デリケートゾーンの蒸れ
デリケートゾーンは下着や生理用ナプキン、おりものシートなどで覆われることが多く、蒸れやすい部位です。
デリケートゾーンが蒸れていると、その環境を好む菌が異常増殖し膣内フローラが乱れる場合があります。
膣内の自己洗浄
ビデやシャワーなどで膣内を自己洗浄すると、膣内フローラが乱れるきっかけになると考えられています。
デリケートゾーンを清潔に保つことは大切ですが、膣内の自己洗浄は膣内環境に悪影響を与える可能性があるので注意しましょう。
抗菌薬の服用
細菌による感染症の治療では、抗菌薬が処方されることがあります。
抗菌薬を使用すると、抗菌薬の種類によっては、感染症の原因となる菌だけでなく膣内の乳酸桿菌まで死んでしまう可能性もあるため、膣内フローラが乱れる場合があります。
膣内フローラと関係するトラブルは?
ここでは、膣内フローラの乱れと関係する病気を紹介します。
【性器カンジダ症】かゆみ・おりものの変化
性器カンジタ症(女性の場合、外陰膣カンジダ症などと呼ばれることもあります)は、カンジダ菌(真菌の一種)により引き起こされる感染症です。
膣内フローラが乱れ、膣内でカンジダ菌が異常増殖して発症します。
性器カンジタ症の主な症状(女性の場合)は、以下の通りです。
- カッテージチーズ状・ヨーグルト状・酒粕状のおりもの
- 膣内や外陰部のかゆみ・灼熱感
性器カンジタ症のかゆみから掻いてしまい、傷ができて炎症が起こることもあります。
【細菌性膣症】ニオイ・おりものの変化
細菌性膣症は、膣内フローラが乱れて、膣内で雑菌が異常に増殖することで引き起こされる病気です。
女性ホルモン量の減少などなんらかのきっかけにより膣内フローラが乱れた結果、膣内の常在菌(乳酸桿菌ではない)が異常に増殖してしまい、発症することが多いです。
また、性行為がきっかけで発症する場合もあります。
細菌性膣症の主な症状は、以下の通りです。
- おりものが魚臭のような生臭いニオイになる
- 灰色でサラサラとしたおりものが増える
膣内フローラを良好に保つ方法
ここでは、膣内フローラを良好な状態に保つ方法を4つ紹介します。
ストレスを減らす
膣内フローラを良好に保つには、ストレスを減らすように日常的なケアをしましょう。
ストレスを減らすには、以下のような方法があります。
- しっかりと休養する
- リラックスする時間を作る
- 自分が好きなことや趣味を楽しむ
- 適度な運動をする
また、ストレスにさらされないようにすることも大切です。
ストレスの原因は、仕事・環境・人間関係などさまざまなものがあります。
真面目・几帳面・完璧主義・心配性といった性格の人は、ストレスを感じやすいといわれています。
日頃からストレスを感じやすい人は、自分自身のストレスの原因を把握して、なるべくストレスにさらされないように対処してみましょう。
デリケートゾーンの蒸れを防ぐ
膣内フローラを良好に保つには、蒸れを防ぎ、菌が増殖しにくい環境を作りましょう。
デリケートゾーンの蒸れを防ぐには、以下のような方法があります。
- 通気性の良い下着を着用する
- 締め付けの強いタイトなズボンや下着を避ける
- 生理用ナプキンやおりものシートはこまめに替える
- 汗をかいたら下着を取り替える
膣内まで洗わない
膣内フローラを良好に保つには、お風呂で洗浄する際に膣内まで洗わないようにしましょう。
ただし、デリケートゾーンは複雑な形状をしているため、汗や皮脂、尿、おりもの、経血などの汚れが溜まりやすいです。
膣内や膣の入り口の粘膜は避けて、外陰部は丁寧に洗うようにしましょう。
デリケートゾーンは皮膚が薄く刺激に弱いため、爪で傷つけないように気をつけながら優しく指で洗うのがポイントです。
洗い終わったらぬるま湯で洗い流し、タオルで優しく水分を吸い取って蒸れを防ぎましょう。
また、トイレのビデ機能で膣を洗いすぎることも避けましょう。
膣内環境を整えるなら乳酸菌UREX(ユーレックス)の摂取がおすすめ
膣内環境を整えるのにおすすめなのは、「乳酸菌UREX(※1)」という膣で働く乳酸菌を摂取することです。
乳酸菌UREXには、GR-1・RC-14(※2)という二種類の乳酸菌が入っています。
口から摂取すると、GR-1とRC-14が生きたまま膣に届いて、膣内の乳酸菌を増やす働きをしてくれます。
膣内フローラを良好に保つ「乳酸菌UREX」を、デリケートゾーンのケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。
※1「UREX」はクリスチャン・ハンセン社の登録商標です
※2 「GR-1」「RC-14」はクリスチャン・ハンセン社の商標です
まとめ
健康的な膣内環境を維持するには、膣内にいる善玉菌(乳酸桿菌)を優位な状態に維持することが大切です。
膣内フローラが乱れると病気になるリスクを高め、かゆみやニオイ、おりものの異常といったデリケートゾーンの悩みにつながります。
膣内フローラの乱れはさまざまなことがきっかけで起こるため、日頃から膣内フローラに悪影響を与えない生活を心がけましょう。