人から見えるわけではないけれど、気になってしまうのがデリケートゾーン(陰部)の黒ずみ。
デリケートゾーンが黒ずんでしまうのは、普段の行動が原因となっていることがあります。
今回は、デリケートゾーンの黒ずみの原因やケアの仕方、予防方法などを詳しく紹介します。
※本記事での「デリケートゾーン(陰部)」とは、膣など女性器周辺の下着で隠れる部分のことを表します。
デリケートゾーン(陰部)の黒ずみの正体は色素沈着
デリケートゾーン(陰部)の黒ずみは「色素沈着」によるものです。
皮膚は刺激を受けると、メラニン色素を生成して黒っぽい色に変化します。
刺激がなくなればメラニン色素は生成されなくなり、ターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)によって排泄されます。
しかし、長期的に強い刺激を受けすぎるとメラニン色素の生成と排泄のバランスが乱れ、メラニン色素が肌に沈着して黒ずみが残ってしまうことがあります。
デリケートゾーンはさまざまな刺激を受けるため、色素沈着による黒ずみが起きやすい部位なのです。
女性ホルモンの分泌量増加でも黒くなる
黒ずみの原因となるメラニン色素は、女性ホルモンの分泌量の増加をきっかけに増えます。
そのため、女性ホルモンの分泌が盛んになる妊娠時期はデリケートゾーンが黒ずみやすくなるのです。
しかし、産後は女性ホルモンの分泌量が減少していくので、多くの場合は自然と黒ずみも薄くなっていきます。
また、ストレスや不規則な生活の影響でホルモンバランスが乱れると、肌のターンオーバーも乱れてメラニン色素が排泄されにくくなることがあります。
妊娠中ではない女性も、ホルモンの影響を受けて黒ずみができる可能性はあるのです。
色素沈着の原因になる刺激は?
デリケートゾーンに色素沈着を引き起こす原因となる刺激には、以下のようなものがあります。
下着や陰毛などによる摩擦
デリケートゾーンに直接触れる下着や陰毛は摩擦による刺激をもたらします。
中でもひだ状の小陰唇(しょういんしん)は刺激を受けやすい部分です。
痩せている人は⽪膚のたるみによって、小陰唇への摩擦刺激が強くなる傾向にあります。
ダイエットによる急激な体重減少や加齢などによって小陰唇がたるんでいる人も黒ずみやすくなります。
トイレットペーパーによる摩擦
デリケートゾーンをトイレットペーパーでゴシゴシ強く擦っていたり何度も拭き取っていたりすると、摩擦刺激で色素沈着につながることがあります。
ゴシゴシ洗いの摩擦
汚れているイメージから、お風呂でゴシゴシ洗いをしたくなるデリケートゾーンですが、実際に強く触ってしまうと摩擦刺激となって色素沈着の原因になります。
生理用ナプキンやおりものシートによるかぶれ
デリケートゾーンは摩擦刺激の他に、かぶれが刺激となって色素沈着が起こる場合があります。
生理用ナプキンやおりものシートを付けていると蒸れやすいので、かぶれの原因になりがちです。
生理用ナプキンやおりものシートの素材が肌に合わず、かぶれが起きる場合もあります。
皮膚を傷つける剃毛・脱毛による炎症
アンダーヘアを剃毛したり脱毛したりする際、皮膚に負担がかかると、炎症が起きて色素沈着することがあります。
特にカミソリや毛抜きを使った自己処理は、皮膚を傷つけて炎症を引き起こし、色素沈着につながることがあります。
黒ずみのケア方法
ここでは、デリケートゾーンの黒ずみを改善したい方にケア方法を紹介します。
市販のデリケートゾーンケアクリーム
市販されているデリケートゾーンの黒ずみケアクリームには、次のような成分が配合されているものがあります。
商品を選ぶ際は、どんな成分が入っているのか確認してみてください。
【美白成分(メラニンの生成を抑える成分)】
- トラネキサム酸
- ビタミンC誘導体
- アルブチン
- プラセンタ
- ハイドロキノン
上記の中でも「ハイドロキノン」は、美白サポート成分としてよく知られており、ハイドロキノンが配合された外用薬には、黒ずみ予防が期待できます。
市販品にもハイドロキノン配合の美白クリームがありますが、より濃度の高いハイドロキノンの処方を受けたい場合は、美容皮膚科を受診しましょう。
【保湿成分(ターンオーバーを促進する成分)】
- ヒアルロン酸
- セラミド
【抗炎症成分(炎症を抑える成分)】
- グリチルリチン酸二カリウム
はじめての商品をデリケートゾーンに使用する際は、事前にパッチテストを行うことをおすすめします。
レーザー治療
デリケートゾーンの黒ずみがひどいと感じたら、美容皮膚科や美容外科などでレーザー治療を受けるのも改善が期待できる方法のひとつです。
黒ずみ治療にはレーザートーニングやインティマレーザーがあり、照射できる部位(デリケートゾーンのうちVIO※のどこに照射できるか)や治療回数、麻酔の有無などが異なります。※V:陰部の上部/I:Vラインの下、陰部の両サイド/O:肛門周り
レーザー治療は、美白成分などを配合した黒ずみケアクリームと比べて、短い期間で効果が得られることが期待できます。
しかし、保険適用外になる場合があるため高額な費用がかかるうえに、施術時に痛みがあったり、施術後に赤みなどが引くまでのダウンタイムが必要だったりする場合もあります。
また、治療すれば二度と黒ずまないわけではなく、摩擦などに気をつけなければ、再び黒ずんでしまいます。
レーザー治療のデメリットをよく理解した上で治療を受けることが大切なので、まずは医師に相談してみましょう。
黒ずみを悪化させない・予防する方法
デリケートゾーンの黒ずみを防ぐには、黒ずみケアグッズを使うだけでなく、日常生活での対策も怠らないことが大切です。
ここでは、黒ずみ悪化の抑制、黒ずみ予防におすすめする方法を9つ紹介します。
下着はゆとりのあるサイズで肌への刺激が少ないものを
締め付けの強い下着は擦れて黒ずみの原因となるため、ゆとりのあるサイズを選ぶようにしましょう。
通気性がよくて蒸れにくい下着を付けることも、汗による刺激を抑えられるので黒ずみ対策になります。
トイレットペーパーで吸い取るようにする
用を足した後、トイレットペーパーを前後に動かしてデリケートゾーンをこする様に水分をふき取ると皮膚に摩擦刺激を与えてしまいます。
デリケートゾーンにトイレットペーパーを優しく当てて、水分を吸い取るように心がけましょう。
優しく洗う
デリケートゾーンは、基本的にお湯で洗うだけで十分です。
それでもソープで洗いたい方は、デリケートゾーン専用の商品あるいは弱酸性タイプのものを使いましょう。
弱酸性なら肌への刺激が抑えられます。
アルカリ性のボディソープは洗浄力が強いため、デリケートゾーンを洗うと乾燥の原因になる可能性があります。
デリケートゾーンをソープで洗うなら、ボディ用と分けた方がよいでしょう。
ソープは、たっぷり泡立ててから使います。
特に、ひだ状の小陰唇は汚れが溜まりやすいので、指の腹で優しく丁寧に洗うのがポイントです。
熱いお湯で洗うと皮膚の乾燥を招くので、ぬるめのお湯で洗いましょう。
皮膚を乾燥から守ることで、黒ずみの原因となる刺激を受けにくくなります。
保湿して乾燥を防ぐ
ミストやクリームでの保湿も黒ずみケアにつながります。
デリケートゾーン用のアイテムもありますが、その場合も使用する前に、パッチテストを行うことをおすすめします。
こまめに生理用ナプキン・おりものシートを替える
生理用ナプキンやおりものシートは蒸れやすくデリケートゾーンへの刺激の原因になるため、こまめに替えることが大切です。
また、こまめに替えても蒸れが気になる場合は、通気性の良いタイプのものに変えるとよいでしょう。
蒸れが原因ではなく、生理用ナプキンやおりものシートの素材自体が肌への刺激になっているケースもあるので、その場合は、素材の異なるものに変えたり、月経カップを使用したりしてみましょう。
月経カップを使用する場合、メーカーの指定する使用方法を守ってください。
正しく使用しないと感染症になる危険性があります。
皮膚への負担が大きい方法でのアンダーヘアの処理は避ける
アンダーヘアの自己処理にカミソリを使う人は多いでしょう。
ですが、皮膚への刺激は避けられず、自分で確認しながら処理しづらい部分でもあるので、皮膚を傷つけてしまう可能性があります。
また、毛抜きを使っての脱毛は皮膚に大きな負担をかけるので避けましょう。
VIOのムダ毛が気になる場合は、クリニックや脱毛サロンでの処理を考えてもよいかもしれません。
どうしても自己処理をしなければならない場合は、カミソリの使用は避けて、肌に刃が直接触れにくい電気シェーバーなどを使いましょう。
タンパク質・ビタミンCを積極的に摂る
皮膚のターンオーバーを正常に保つには、肌細胞のもととなるタンパク質を摂取することが大切です。
また、メラニンの生成抑制・還元(黒色を淡色化させる)作用があるビタミンCを摂取するのも黒ずみ対策になります。
栄養バランスの整った食事を意識しながら、タンパク質・ビタミンCを積極的に摂るようにしましょう。
睡眠を十分に取る
眠っている間は、ターンオーバーを促す成長ホルモンの分泌が高まります。
睡眠不足になるとターンオーバーが遅れてメラニン色素が残りやすくなり、黒ずみの原因になりやすいです。
睡眠を十分に取るとメラニン色素が溜まりにくくなるので、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
まとめ
デリケートゾーンの色は人それぞれで、生まれつき色が薄い人もいれば濃い人もいます。
しかし、使用している下着や生理用ナプキン、生活習慣などの影響で黒ずんでいる場合は、色素沈着のケア対策をとることで、黒ずみを軽減できる可能性があります。