【便秘解消!】マッサージ・ツボなど便秘改善に効果が期待できる方法を解説!

『便を出してもスッキリしない』『何日も便が出ていない』など、多くの人が抱えるお通じの悩み。

便秘の症状をなんとかして解消したいという人も多いでしょう。

今回の記事では、便秘改善に効果が期待できる方法や、便秘にならないための対策方法について解説していきます。

便秘に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

【便秘とは】何日出ないと便秘?

排便回数の減少(排便が週3回未満、あるいは2日に1回以下)」が認められた場合や、以下のような「排便困難症状」が続いている場合、または、「排便回数の減少」と「排便困難症状」が同時に起こる場合に便秘と診断される場合があります。

【排便困難症状】

  • 強くいきまないと便が出てこない
  • ウサギの便のようなコロコロ便が出る
  • 残便感や肛門が詰まったような閉塞感がある
  • 一度で出きらずに頻回便となる

ただし、これらの症状の他に強い腹痛がみられれば過敏性腸症候群(IBS)の可能性も考えられるため、専門医に相談すると良いでしょう。

また、慢性的な便秘は肌荒れやイライラ、集中力の低下といった不調を招きやすくなります。

場合によっては吐き気やめまい、食欲不振といった症状を引き起こす可能性もあるため、便秘に悩んでいるのであれば早めに対策をとることをおすすめします。

出典:日本内科学会雑誌 |106 巻 11号

 

【すぐに出したい!】効果が期待できる便秘解消法

ここからは、便秘を早く解消したい人向けに、すぐにできる手軽な便秘解消法を紹介していきます。

 

簡単!便秘解消マッサージ

お腹を直接マッサージすることで、腸のぜん動運動を活発化させ、排便を促す効果が期待できます。

便秘解消に良いといわれている【腸もみ】と【のの字マッサージ】を紹介します。

 

【腸もみ】

  1. リラックスした状態で仰向けになる
  2. 腸の形に沿って右側の下腹部から右助骨に向かって優しく揉む
  3. 次に右肋骨から左肋骨に向かって優しく揉む
  4. 最後に左肋骨から左下腹部に向かって優しく揉む
  5. 2〜4の手順を1分程度繰り返す

<ポイント>

便は、直腸へつながるS状結腸がある部分に溜まりやすいので、S状結腸がある左下腹部はとくに念入りにマッサージしましょう。

 

【「の」の字マッサージ】

  1. 仰向けになり、ひざを曲げた状態にする
  2. へそを中心にして、時計回りに「の」の字を描くように指先をゆっくり動かす
  3. 1〜2を何度か繰り返す

 

便通改善に効果あり!便秘解消ストレッチ

緊張状態が続いている人やストレスが溜まっている人は、ストレッチで腸を刺激し身体をリラックスさせることで便が出やすくなります。

便秘解消に効果が期待できる【フォームローラー腸ほぐし】と【腰そらし腸ストレッチ】、【腰ひねり】を紹介します。

 

【フォームローラー腸ほぐし】

  1. うつ伏せでお腹部分にフォームローラーをセットし、肘とつま先で体を支える
  2. へそ下にフォームローラーをセットし、上下に転がす(20回程度)
  3. 次にお腹の右側に体重をかけフォームローラーで刺激する
  4. へそより上にフォームローラーをセットし上下に転がす(20回程度)
  5. 次にお腹の左側部分に体重をかけフォームローラーで刺激する
  6. 最後にお腹全体をゆっくりフォームローラーで刺激する

<ポイント>

フォームローラーを転がした際に痛みがある場合は、体幹で体重を支えて負荷を調整してください。

負荷を調整しても痛みや違和感がある場合は、無理をせず中止しましょう。

 

【腰そらし腸ストレッチ】

  1. うつ伏せになり両足は腰幅に開く
  2. 両手は胸のあたりに置き、脇を軽く締めて肩甲骨を下げる
  3. 息を吸いながら上体を起こし、耳と肩を遠ざけるようにして首を長く保つ
  4. 胸を張って腹直筋を伸ばすことを意識し、30秒ほどそのままキープする

<ポイント>

お腹の前面にある大きな筋肉を「腹直筋」といいます。

腹直筋を刺激することで、大腸の動きを活性化させる効果が期待できます。

 

【腰ひねり】

  1. 仰向けで左ひざを抱えてお腹に引き寄せ、そのままゆっくりと3回呼吸する
  2. 左ひざに右手を添えて右側に倒し、同時に左腕を左側に伸ばすようにする(この時左肩が床から離れないように注意)
  3. そのまま腰をひねった状態で3回深呼吸し、その後右側も同じように行う

<ポイント>

腸に近い腰をひねることで、便意を促します。

起床時にストレッチをすることで、排便リズムが整います。

 

ツボを押して便意を促す

便秘解消に効果が期待できる【全身のツボ】を紹介します。

ツボを押す際は、気持ちいいと感じる程度の力でゆっくり押し、くれぐれも強く押したり、長時間押し続けたりしないようにしましょう。

また、飲酒後や満腹時、ケガや体調不良のあるときは避けることをおすすめします。

女性の場合、妊娠中や出産後のツボ押しは思わぬ副作用が出る可能性もあるため控えたほうがよいでしょう。

 

【お腹にあるツボ】

お腹にある「天枢(てんすう)」・「大巨(だいこ)」というツボは、消化器官の働きを整える効果があり、便秘解消効果が期待できます。

<天枢(てんすう)>

へそから左右対称に、外側に指3本分離れたところにあるツボが天枢です。

左右同時に呼吸に合わせながらゆっくり押しましょう。

<大巨(だいこ)>

天枢からさらに指3本分下、やや内側にあるのが「大巨」です。

左右同時に呼吸に合わせてゆっくり押しましょう。

 

【背中にあるツボ】

背中にある「便秘点(べんぴてん)」「大腸兪(だいちょうゆ)」も、それぞれ便秘解消効果が期待できるツボです。

<便秘点(べんぴてん)>

左右それぞれの肋骨の指幅2本分下、さらに背骨から指4本分外側にあるツボが「便秘点」です。

腰に手を置いた状態で、呼吸に合わせて親指でゆっくり押しましょう。

<大腸兪(だいちょうゆ)>

腰骨のライン上、背骨から指幅2本分外側にあるツボが「大腸兪」です。

腰に手を置いた状態で、呼吸に合わせて親指でゆっくり押しましょう。

 

【手にあるツボ】

手にある「合谷(ごうこく)」と「神門(しんもん)」も、便秘解消効果が期待できます。

また、緊張を解くリラックス効果もあるので、気持ちを落ち着かせたい時にも有効です。

<合谷(ごうこく)>

手の甲、親指と人差し指の付け根の骨が交わっているところが「合谷」です。

反対の手の親指と人差し指で挟むように刺激しましょう。

<神門(しんもん)>

小指側の手首の内側、すこしくぼんだところにあるツボが「神門」です。

親指でゆっくり押し込むように刺激しましょう。

 

【足にあるツボ】

足にある「三陰交(さんいんこう)」と「足三里(あしのさんり)」も便秘解消に効果的です。

<三陰交(さんいんこう)>

内くるぶしから指幅4本分上にあるツボが「三陰交」です。

血流を改善するツボとしても知られており、親指を押し込むようにゆっくり刺激すると効果的です。

<足三里(あしのさんり)>

膝の皿の下のくぼみより指幅4本分、むこうずね側にずらしたところにあるツボが「足三里」です。

親指で揉みほぐすように刺激するとより効果的です。

 

【便秘対策】便通を良くするために心がけたい生活習慣

マッサージやストレッチ、ツボ押しなど、手軽に便秘を解消する方法を紹介しましたが、便秘を根本から改善するためには、生活習慣を見直すことがとても重要です。

ここからは、便通を良くするために心がけたい生活習慣について解説していきます。

 

適切な運動

運動不足は腸の働きを鈍らせ、便秘の原因になります。

便秘改善のためには日頃から適切な運動を行うことが必要です。

歩く機会を増やす、ヨガやストレッチを行うなど、普段からこまめに体を動かして腸の働きを活性化させることをこころがけましょう。

とくに、腹筋を鍛えることは腸の血行を促し、ぜん動運動を促す効果が期待できます。

トイレに行ってもなかなか便が出ない、排便後も残便感が残るなど、胃腸の働きが鈍くなっている人は、毎日の習慣として腹筋運動を取り入れるのがおすすめです。

 

腸内環境を整える食事

偏った食生活や不規則な食事は、腸内細菌のバランスを乱し、腸内環境を悪化させます。

規則正しい便通のためには、腸内環境を整える食生活を心がけることが大切です。

日頃から、腸内環境を整える効果がある善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)を含む食品や善玉菌のエサとなるオリゴ糖、食物繊維を含む食べ物をバランスよく摂取しましょう。

 

【腸内環境を整える代表的な食品】

腸内環境を整えるもの期待できる効果含まれる代表的な食品
乳酸菌糖から乳酸を作って悪玉菌の増殖を抑える味噌、キムチ、チーズ、ヨーグルト、乳酸菌飲料
ビフィズス菌病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑えるヨーグルト
オリゴ糖消化吸収されずに大腸に届き、善玉菌のエサになって善玉菌を増やすアスパラ、ニンニク、バナナ、はちみつ、大豆食品
水溶性食物繊維腸内細菌(善玉菌)のエサとなり、腸内環境を整える。便を柔らかくして排便をスムーズにする海藻類、フルーツ、ネバネバ食品(なめこ・オクラ・めかぶ)
不溶性食物繊維腸内細菌(善玉菌)のエサとなり、腸内環境を整える。便の容積を増やし、大腸のぜん動運動を促して排便をスムーズにする納豆、根菜類、穀類

ちなみに、食事から摂取した善玉菌は、腸内に定着せず便として排出されてしまうので

良い腸内環境を保つには、毎日の食事からコツコツ摂取することが大切です。

 

水分はこまめに摂る

水分の摂取量が少ないと、便が固くなり排出しづらくなってしまいます。

とくに汗をかきやすい夏場は、体内の水分量が不足して便秘になりやすい傾向があるので、意識的に水分を摂取するようにしましょう。

1日に摂取するべき水分量の目安は、一般的な成人で1,500〜2,000mLです。

ちなみに、お茶やコーヒーなどの利尿作用のある飲み物は、かえって身体の水分を奪う可能性があります。

また、ジュースには糖分が含まれるので、水分補給には水や白湯がおすすめです。

 

ストレスを溜めない

便秘の改善・予防のためにはストレスを溜めないことが大切です。

ストレスは自律神経に影響を及ぼし、胃や腸といった消化器の働きを低下させてしまいます。

趣味やスポーツでストレスを発散する機会をつくる、夜更かしをせず質の良い睡眠をとるなど、疲れやイライラを溜め込まないことが便秘予防につながります。

また、朝にしっかり太陽の光を浴びることで自律神経が整うので、起きたらまずカーテンを開けるようにしましょう。

 

便意を我慢しない

便意を我慢したために排出されなかった便は、腸に水分を吸収されて硬くなるため、排便しにくくなり、便秘が慢性化する原因の一つになります。

また、便意を我慢し続けると、排便反射が鈍くなり便意を感じにくくなってしまうので、我慢せずに早めにトイレに行くように心がけましょう。

 

どうしても便が出ない時の対処法

運動や食生活を見直しても、なかなか便秘がよくならないということもあるでしょう。

そんな時は、腸内環境を整える作用のある市販薬(整腸薬)を試してみるのもよいでしょう。

 

整腸薬にはいくつか種類がありますが、便秘の症状がある方には、悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整える作用のある『善玉菌(乳酸菌、ビヒズス菌など)』と、便を柔らかくしたり、便の量を増やしたりして、排便を促す効果が期待できる『食物繊維』の両方が配合されたものがおすすめです。

 

ちなみに、即効性を求めて刺激性の強い下剤を乱用すると、かえって便秘症状を悪化させたり、慢性化させたりする恐れもあります。

便秘薬を服用する際は、医師や薬剤師とよく相談してください。

 

まとめ

何日も便が出ない、出たとしても残便感がある、排便に時間がかかる、といった症状があれば、便秘かもしれません。

便秘の症状は慢性化してしまう恐れがあるので、排便を促すマッサージやストレッチ、ツボ押し、腸内環境を整える整腸薬などをうまく取り入れながら、普段からお腹の調子を整えるように意識してみてください。

慢性的な便秘は、心身にとって大きな負担になるので、辛く感じる時や、便秘が長期間続いていたり、腹痛や吐き気など、普段と違う症状を伴ったりする場合は、胃腸科や消化器内科などの専門機関へ早めに相談するようにしましょう。

便秘が起こらないような自分なりの食生活や運動習慣を見つけて、根本的な改善にも挑戦してみてください。