【食べ過ぎ】原因や次の日の胃もたれ、気持ち悪さなどの対処法を医師が解説

会食や友人との飲み会でついつい食べ過ぎてしまうことはありませんか。

食べ過ぎた日の翌日は、胃もたれがして気持ち悪かったり胃がムカムカしたりすることも多いでしょう。

胃もたれは一過性のものであればセルフケアで様子をみるという方法もありますが、長引く場合は別の病気が潜んでいる可能性もあります。

そこで今回は、食べ過ぎた次の日に胃がもたれて気持ち悪い際の対処法や病院へ行くべき症状、食べ過ぎてしまう原因について医師に解説していただきました。

 

<お話を伺った医師> 

▶️高座渋谷つばさクリニック

食べ過ぎた次の日に体調不良を引き起こすメカニズム

Q:どうして食べ過ぎた次の日に体調不良が起きるのでしょうか?

食べたものが翌日になってもまだ胃の中に残っている状態になりますと、胃もたれなどの体調不良を引き起こす原因になることがあります。

歯で噛み砕かれた食べ物が食道を通って胃の中に入ってくると、一般的に2〜3時間で消化します。

しかし、アルコールや脂肪分の多い食べ物、揚げ物、ケーキなどは消化するまでに6時間以上かかってしまいます。

その結果、翌日になっても胃の中に残ってしまっていて、胃の圧迫感や胃もたれを実感してしまうのです。

 

胃もたれや気持ち悪さを改善に導く対処法

Q:胃もたれや気持ち悪さがあらわれた時、改善に導けるセルフケア方法はありますか?

白湯を飲む

何も入っていない白湯を飲むことです。

冷たいものや極端に熱いものだとそれだけでも胃にストレスをかけてしまいます。人肌くらいの温度がいいでしょう。

白湯を飲むことによって脂肪分などの消化を助け、さらに胃の食物を十二指腸に送り込むことができます。

 

消化の良いものを摂取する

うどんや野菜のスープ、おかゆなど、お腹に負担をかけない消化の良いものを摂るのもおすすめです。

主に炭水化物で形が柔らかいものを摂ることを心がけてください。

形の柔らかいものを摂ることで胃の中では消化酵素が分泌されます。

この酵素によって胃に残った食物が中和され、消化を助けてくれるのです。

 

軽く散歩をする

寝転がっていると胃の中の食物が逆流して消化が進みにくくなってしまいます。

そのため、できるだけ立位を心がけ、可能であれば負担のかからない距離を軽く散歩するといいでしょう。

体を動かすことによって胃と腸も筋肉と連動して動かされます。

その結果、胃から十二指腸へと送り出される運動も活発になり、消化の助けになるのです。

 

なるべく安静にする

歩くこともできないような状態であれば、なるべく安静にしていましょう。

ただしお伝えしたように、寝転んでいると逆流につながるのでよくありません。

上体を起こして重力をかけてあげることが大事です。

胃の先にある十二指腸や小腸へと食物が流れるように促してあげます。胃に滞留させないことを意識しましょう。

 

食べ過ぎた後このような症状があれば病院へ!

Q:食べ過ぎた後にどのような症状があらわれたら病院で医師に相談した方が良いのでしょうか?

胃もたれの症状が長期間続く

胃もたれは本来、胃の中の食物が十二指腸や小腸へと送り込まれると症状は改善していきます。

もし胃もたれの不快感が1週間以上続いた場合、別の病気を疑わなければなりません。

胃もたれの症状が長期間続く場合は、自然に改善するのを待つのではなく、医療機関での受診をおすすめします。

 

市販薬を服用しても症状が変わらない

市販の胃腸薬を飲んでいるにもかかわらず、数日間胃もたれが改善しないとなると、やはり根本的な原因を調べる必要があります。

特に「ゲップが出る」「逆流感がある」「食欲がない」などの生活に支障がある場合は速やかに医療機関に診てもらいましょう。

 

体重が極端に減少した

体重というのは消化酵素のパラメーターです。

胃もたれが続いて、体重が極端に減ってしまったという場合は、消化酵素の分泌も低下している可能性が高いと言えます。

また胃もたれが続いて体重が減少するだけでなく、冷や汗が出る、動悸がするといった症状が出ている場合には、速やかに医療機関に診てもらってください。

 

食べ過ぎてしまう原因からの見直しが大切

Q:そもそもどうして食べ過ぎてしまうのでしょうか?

ストレスによるもの

現代社会を生きるうえでは、体や心にどうしてもストレスがかかってしまいます。

そしてストレスを受けると体は低血糖の状態になってしまうのです。

さらに下がった血糖値を補うために脳に糖分を送ろうとすると、空腹感を感じるようになります。

その結果、ストレスを受けることでいつも以上に空腹を感じてしまい、つい食べ過ぎてしまうのです。

 

糖質の摂り過ぎ

日本人は炭水化物や糖分を推奨量よりもたくさん摂りすぎてしまう傾向があります。

糖質が多い食品を考えると、脂肪分も豊富に含まれているものが多いですよね。

その結果、糖質と共に脂肪分も摂り過ぎてしまい、胃もたれの原因になってしまうという方もいらっしゃるでしょう。

 

無理なダイエットによるリバウンド

近年は減量ブームということもあり「1ヶ月に10kg痩せた」というようなことを武勇伝的に話す人もいらっしゃいます。

ですが、無理なダイエットをずっと続けるのは不可能です。

我慢していたものが爆発してしまい、リバウンドで急激に食べてしまう方が非常に増えています。

 

食べ過ぎに関するQ&A

 

Q.食べ過ぎた時お腹をマッサージするのは効果がありますか?

消化吸収を助けることが多いので、マッサージをすることは効果があります。

「の」の字にマッサージをすることが効果的でありますので、試してみてください。

 

Q.食べ過ぎた直後に吐いてしまったけど大丈夫?

食べ過ぎた直後に吐いてしまっても、吐いた後スッキリしており、吐き気が落ち着いているのであれば様子をみても大丈夫でしょう。

 

Q.食べ過ぎた翌日に腹痛に襲われた場合は病院へいくべき?

腹痛が強く、日常生活に支障がある場合は緊急性がありますので、急いで医療機関を受診することをおすすめします。

 

まとめ

今回は高座渋谷つばさクリニックの武井院長に、食べ過ぎた次の日の胃もたれや気持ち悪さの対処法や病院へ行くべき症状、食べ過ぎてしまう原因について解説していただきました。

基本的には一過性の胃もたれであれば、白湯や消化に良いものを摂取したり、安静にしたのち、軽い散歩をして身体を動かしたり、消化を助ける胃腸薬を服用したりすることで改善へと導けるでしょう。

しかし、何日も胃もたれが続いたり、市販薬を服用しても症状が変わらなかったり、極端な体重の減少があったりする場合はすぐに医療機関で医師と相談してください。