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企業訪問レポート:株式会社オカモトヤさまへ行ってきました【後編】

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就業中の仮眠もOK!「WORK」と「NONWORK」時間を融合した新オフィスを体験

性差による働きにくさの解消を実現することを目的に、企業のフェムアクションをサポートする新事業「Fellne(フェルネ)」を立ち上げたオカモトヤさま。その事業の一環として、自社のオフィス「palette」も刷新したとのことです。そこで、わかもと製薬でフェムテックプロジェクトを立ち上げた冨永が、新オフィスを訪問。オカモトヤさまが考えるフェムアクション*についてお話を伺った前編に続き、後編では2024年1月から稼働した新オフィスの魅力を体験させてもらった様子をレポートします。

*オカモトヤさまが提唱する、女性活躍推進やフェムテックなど、女性のQOL向上につながる取組みの総称(商標登録済)

<プロフィール>

株式会社オカモトヤ 園田 美公さん
企画・マーケティング部企画G グループ長
新規事業 「Fellne(フェルネ)」の立ち上げメンバー。アパレル業界から、自身のライフワークバランスを見直すためにオカモトヤへ転職。フェムテックという市場に関わることで、自身もソープやオイルを使用し、フェムケアを怠らない。また、さまざまなフェムケア商品の開発によって、ますますファッションが楽しめるようになり、結果的にメンタルケアにつながっていると感じる日々。フェムテックエキスパート資格を保有する。

わかもと製薬株式会社 冨永 千絵
広告企画推進部にて、コミュニティサイトやSNSを通して社外へ情報発信やイベント出展の準備や企画を担当する中で、フェムケアは女性にとって必要不可欠であることを知る。社会はもちろん、自社内でもフェムケアに対する理解の低さに課題を感じているため、意識改革に向けて日々奮闘中。フェムテックエキスパート資格を保有する。

見通しのよい空間が、コミュニケーションを活発にする

園田:こちらが、2024年1月に移転した新オフィス「palette」です。

冨永:見通しがいい!壁がないんですね。

1329㎡のワンフロアに、個性的なエリアが点在する「palette」

園田:はい。ワンフロアに、執務エリアをはじめコミュニケーションエリアなどいろいろあるのですが、壁をなくすことで隔たりを防いでいます。「palette」という名称は、会社や組織、キャリア、年代、性別を超え、個性を大切にしながら混じり合う場所になるように名付けられました。フリーアドレス制で、その日の気分によって作業する場所を選べます。椅子はお取引先さまの製品を採用し、座り心地などを確認したり、業務にもつなげています。そうそう、ふと隣を見ると社長が作業していたりします(笑)。

冨永:社長もフリーアドレスなんですか!?

園田:誰よりも早く出社し、お子さんたちのお迎えの為に早めに退社したり、自ら働き方の選択肢を活用されています。

冨永:社長自らが時短勤務を実践し、働く女性のロールモデルになってくださるのは、うれしいですね。

園田:会長室は仕切りがありますが、ドアは常にオープンにされているうえ、同じフロアにいらっしゃるので、これまでなかなか話す機会がなかった従業員も気軽にコミュニケーションを取れるようになりました。

冨永:会長と気軽に話すことができるなんて、驚きです。壁をなくしたことで、関係性にも壁がなくなったんですね。

園田:そうかもしれませんね。「おはようございます」とあいさつするだけでも、役員と従業員が近くなり、会社として一体感が生まれるのだと思います。

では、「Fellneエリア」をご案内しますね。

暗闇の個室で、仕事中にモードチェンジ!?

園田:一番の特徴は、「セルフメンテナンスルーム」です。体調が悪かったり、業務でちょっとイライラした気分を鎮めたいなど、1人になりたいと思うことがありますよね。そんなとき、こちらに15分ほど閉じこもってセルフメンテナンスをし、リフレッシュしてから業務に戻るという考えから生まれました。人の目を気にしなくてよいのがポイントです。女性活躍をサポートする「Fellne」事業の一貫で誕生しましたが、もちろん男性も利用できます。冨永さんも利用してみてください。

「セルフメンテナンスルーム」は3タイプある

冨永:わ!なんだか、この狭さが落ち着きますね(笑)。仮眠してもよいのですか?

園田:スマホやPCなどのデバイスの持ち込みは禁止にしていますが、用途の定義は設けていません。天井が開放されているタイプや茶室のような小さな扉のついたタイプなど3タイプあります。密閉度の高いタイプは防音されているので、思いっきり叫んだり、泣いたりしても大丈夫ですよ(笑)。

靴を脱ぐことでリラックスできる

冨永:堂々と休憩できるのがいいですね。

園田:それが、わたしたちの提案している「WORK」と「NONWORK」の融合なのです。働く時間ですが一時的に仕事から離れてモードチェンジすることで、結果的には気持ちよく仕事ができると考えています。

また、業務中のリフレッシュ対策として、アロマオイルやボディシートが並ぶ「アメニティバー」や、ボディケアローラー、ダンベルなどのアシストグッズも用意しています。これらは、セルフメンテナンスルームに持ち込むこともできますよ。

トレーニンググッズやクッション、加湿器などのアシストグッズが揃っている

冨永:至れり尽くせりですね。「アメニティバー」には生理用品も並んでいて驚きました。

園田:従業員の健康課題を緩和するために設置した「アメニティバー」は、誰でも気軽に使用できるものです。従業員全体の意識を変える試みとして、敢えて生理用品などもオープンにしているんです。

冨永:男性にとっても当たりまえのものになりますね。

生理用品をはじめ、ボディシート、カイロ、マウスウォッシュ、デンタルクロスなど、さまざまアメニティグッズが並ぶ

園田:「Fellne」を通じて、性別問わず、働く人たちの健康と時間を大切にしたいと考えています。そのひとつとして新オフィスに設置されたのが「ゴルフシミュレーター室」です。

冨永:会社でゴルフですか!? いろいろな施策を取り入れている企業が増えていますが、シミュレーションゴルフを設置しているというのは初めて聞いたかもしれません。

園田:お取引さまとのコミュニケーションに活用できるのと同時に、座りっぱなしで作業する従業員の健康づくりにも役立ててほしいという想いからです。また、同僚と一緒に楽しむことでコミュニケーションが向上してチームの結束が高まれば、良いアイデアも生まれるだろうし、相乗効果は多いと思います。

冨永:一瞬、驚きましたが、その通りですね。これからの企業経営に従業員の健康に関する取り組みは欠かせないですから。

人生初のゴルフ体験!

働きやすい社会のために、次世代へとフェムアクションをつなげていく

冨永:さまざまな取り組みを拝見して、驚きっぱなしでした。女性をサポートする「Fellne」から、さまざまなアプローチができ、その結果、社会全体にフェムアクションが広がっていくのだと感じました。

園田:ありがとうございます。「Fellne」がスタートしてまだ2年、乗り越えていくべき課題もたくさんあると思いますが、少しずつでもフェムアクションを増やしていきたいですね。

冨永:これから取り組んでいきたいことはありますか?

園田:既に進行中ですが、フェムアクションを次世代へとつなぐことです。昨年から、女子大学とコラボレーションした「災害用レディースキット」を製作しています。パッケージデザインやアイテムなど、新鮮なアイデアをいただけて刺激的でした。また、これから社会に出て働き、出産・子育てをしていく彼女たちが学生時代からフェムアクションの意識を持つことが重要と考えています。将来的に、もっとみんなが働きやすい社会になることを目指して、学生とのコラボレーションは続けていく予定です。

冨永:若い世代への啓もうは大切ですよね。女子大生だけではなく男子学生、男子高校生にもフェムアクションを浸透させていくべきだと思います。

園田:「災害用レディースキット」を用意してくれているような企業に就職したい、という声も聞きました。企業は、これまで以上に女性のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)について真剣に取り組んでいかなればならないと実感しましたね。

冨永:製薬会社である弊社と、オフィス用品商社である御社は業種こそ違えども、女性の健康や働き方への想いは同じだと思います。まだまだ、社会の理解が浸透しきれていない現状ですが、一緒にがんばっていきましょう! 今日はありがとうございました。とても楽しかったし、勉強になりました。

画期的な取り組みに驚かされることばかりでしたが、これもオフィス環境をつくる商品とサービスを扱うオカモトヤさまだからこそ実現できたことなのかもしれません。オカモトヤさまが目指す「女性活躍推進」が行き届かない中小企業へのサポートによって、わたしたちの環境が明るいものになっていくことを期待せずにはいられません。

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