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企業訪問レポート:株式会社オカモトヤさまへ行ってきました【前編】

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女性へのサポートが、すべての人の意識を変える。
フェムアクションに大共感!

企業の社会的責任である「ダイバーシティ推進」「女性活躍推進」に向けて、各企業がさまざまな取り組みが行っています。今回は、文具販売とオフィスの内装のデザインなどを手掛けるオカモトヤさまの新規事業 「Fellne(フェルネ)」 に注目。これは性差による働きにくさの解消を目的に、企業のフェムアクションをサポートする事業です。

わかもと製薬でフェムテックプロジェクトを立ち上げた冨永がオカモトヤさまを訪問し、お話を伺ってきました。前編では、オカモトヤさまが考えるフェムアクションについてご紹介します。

*オカモトヤさまが提唱する、女性活躍推進やフェムテックなど、女性のQOL向上につながる取組みの総称(商標登録済)

<プロフィール>

わかもと製薬株式会社 冨永 千絵
わかもと製薬のフェムテックプロジェクト立ち上げ人。広告企画推進部にて、コミュニティサイトやSNSを通して社外へ情報発信やイベント出展の準備や企画を担当する中で、フェムテックは女性にとって必要不可欠であることを知る。社会はもちろん、自社内でもフェムケアに対する理解の低さに課題を感じているため、意識改革に向けて日々奮闘中。フェムテックエキスパート資格を保有する。

株式会社オカモトヤ 園田 美公さん
企画・マーケティング部企画G グループ長
新規事業 「Fellne(フェルネ)」の立ち上げメンバー。アパレル業界から、自身のライフワークバランスを見直すためにオカモトヤへ転職。フェムテックという市場に関わることで、自身もソープやオイルを使用し、フェムケアを怠らない。また、さまざまなフェムケア商品の開発によって、ますますファッションが楽しめるようになり、結果的にメンタルケアにつながっていると感じる日々。フェムテックエキスパート資格を保有する。

女性社長の実体験から生まれた「Fellne」プロジェクト

冨永:はじめまして。今日をとても楽しみにしていました。オカモトヤさまが提唱するフェムアクションはもちろん、新規事業 「Fellne(フェルネ)」もとても興味深いです。新事業を立ち上げるきっかけを教えていただけますか?

園田:ありがとうございます。弊社は1912年創業なのですが、2015年より働き方改革を進めてきました。その中で、2022年に現社長である鈴木美樹子が4代目社長として就任。鈴木は2児の母であり、子育て真っ最中のため、女性が仕事と家庭を両立しながら働く大変さも、女性特有の健康問題による“働きにくさ”も体験しています。女性をサポートしながら、すべての働く人たちの“ミカタ”になりたいという想いから、「Fellne」がスタートしました。

冨永:実体験がベースだから、わたしたちも共感できるんですね。プロジェクトメンバーはどんな構成なのですか?

園田:女性がメインでしたが、男性社員も参加しています。40代の男性ですが、女性の健康や働き方に理解があり、こちらが驚くような意見も出してくれました。また、営業部、経理部など部署を超えてメンバーを募ったことで、さまざまな意見や発見があり、その集約が「Fellne」になったと思っています。

冨永:「Fellne」がスタートして、社員の方々に変化はありましたか? 

園田:男女問わず、「Fellne」を通してこれまであまり話さなかった内容の会話をするきっかけになったような気はしています。たとえば、以前は体調が悪いけれど男性の上長には言いづらいという空気感があったと思うのですが、今はためらわずに言えるようになったなど。これは女性のみならず、働きやすさにつながっていくと感じています。

冨永:すごくうらやましいです! 弊社は男性社員が多いので、女性社員が健康状態などを伝えることに抵抗を感じているという課題があります。解決に向けて活動中なので、非常に参考になります。

園田:男性社員も女性にデリケートなことを聞いてはいけないという配慮もあったんですよね。でも、互いに寄り添って理解しようという意識が高まってきています。実際に社員からも、話すことに抵抗がなくなったという声も聞くようになりました。

ありそうでなかった女性用の災害キットをオフィスに

冨永:“働く女性のミカタ”である「Fellne」ですが、具体的な内容を教えていただけますか?

園田:プロジェクトは3つあります。1つ目は「災害用レディースキット」です。災害時はどうしても食料などが優先となり、女性向け衛生用品は後回しになりがちですよね。でも、身体が厳しい状況下に置かれると不安等でホルモンバランスを崩し、⽉経が始まってしまったり…。そんな事態を解決するために企画しました。

保管しやすいサイズ感はもちろん、災害キットとは思えないほどキュートなデザイン

冨永:会社に用意されていたら、うれしいです。ファイルボックス型で可愛いですね。

園田:備蓄倉庫やキャビネットなどで保管しやすいようにしました。弊社はオフィス専門商社として多くのメーカーさまとのお取引があるので、災害時に女性に必要と思われるさまざまなアイテムを取り入れることができました。

微に入り細に入りのセレクトに興味津々!

冨永:ナプキンや⽣理⽤夜ショーツ、フェミニンゾーンリフレッシュシート、膣内洗浄、消臭付きポリ袋、⾮常⽤ズボン、カイロ、腹巻き…。女性が欲しいものが揃っていますね。え、コンドームまで!?

園田:驚きますよね(笑)。でも、災害時に女性が避難所などで性被害に遭遇するという悲しい事件も耳にします。自身で身を守るためにも、キットの1アイテムとして採用したんです。

冨永:御社が本気で“女性のミカタ”であることを感じます。3日分とのことですが、困っている女性ともシェアできそうな量です。自然災害が多い日本では、いつ自分が被災者になるかわからないので、とても意味があるプロダクトだと思います。

園田:まず、女性の生理期間にどのくらいのナプキンを必要とするのかを男性が知らないことを、今回のプロジェクトを進める中で改めて思い知らされました。だから、被災地ではナプキンが1枚だけ支給されたりするんですよね。

冨永:男性も女性ももっと自身をオープンにしていくというのが、これからの課題なのかもしれませんね。その点では、御社はとても先進的だと感じました。

園田:「Fellne」をきっかけに、すべての人にフェムアクションを起こしていただくのが、わたしたちが目指すところです。

園田:2つ目のプロジェクトは「オールジェンダートイレ」です。使用者同士が顔を合わせずに済むように、入口と出口を分けた「一方通行のトイレ」で、体調や気分のメンテナンスができたり、オフィスで一時的に独りになれるスペースや更衣室のない企業でも着替えられるスペースなどセルフメンテナンス機能もあります。これはビルの設計段階から携わるプロジェクトなので、長期プロジェクトとして捉えています。

冨永:トイレで人と遭遇するのは、意外と気まずいものですよね。第一号が実現するのを楽しみにしています。3つ目のプロジェクトはどんなものですか?

園田:中小企業向けのECサービスです。大企業に比べてフェムアクションに踏み出せない中小企業は多いです。まずは女性従業員の方々にフェムケアやフェムアクションについて知っていただくために情報提供やフェムテック商品のご案内をします。「災害用レディースキット」も保管場所の少ない中小企業用にサイズの小さいタイプも用意しているんですよ。

冨永:「ダイバーシティ推進」や「女性活躍推進」を理解していても、人手不足等でなかなか手がまわらない企業にはうれしいサービスですね。

園田:わたしたちも中小企業なので、同じ悩みや課題を共有し、一緒に解決していけたらいいなぁ

セルフメンテナンス機能も付加したジェンダーレストイレ

新しい働き方から生まれるフェムアクション

冨永:「Fellne」は女性サポート事業であるけれど、Fellneを通じて、オカモトヤさまが女性のみならず、すべての働く人をサポートしたいという思いを理解しました。

園田:ありがとうございます。先ほども申し上げましたが、弊社では2015年より働き方改革を進めてきました。先代社長(現会長)が「経営とは人づくり」という考えを持ち、働く人を大切にする企業風土づくりに力を入れてきたのです。その1つとしてITインフラを整備して、テレワークが導入されました。

また、当時は専務であり、子育て中の現社長がリーダーシップを発揮し、男性社員の意識改革も始めたのです。配偶者が出産や子育てで離職することがないように、育児中の男性社員の在宅勤務や時差出勤を可能にすることで、「仕事と子育ての両方が楽しめる」と社員たちからも好評を得ました。そんな土壌がある中で、「Fellne」が始動したのです。さらには今年1月には新オフィスへ移転し、ライブオフィス「palette(パレット)」として運営をスタートしています。

冨永:コロナ禍前からテレワークを取り入れていたとは驚きです。やはり御社は先進的ですね。また、「palette」では斬新的な取り組みをされていると聞いています。

園田:新しい働き方「WORK」と「NONWORK」時間の融合を提案するオフィスなんですよ。ご案内するので、ぜひ体感されてください。

冨永:ありがとうございます!楽しみです。

創業112年と歴史ある企業であると同時に、時代に合わせて新しいことをどんどん取り入れ、働く人たちに寄り添っていくオカモトヤさまの姿勢は、すべての企業が見習うべきことかもしれません。後編では、“働く人の時間を大切にする”新オフィスをご紹介します。

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