自分の悩みにぴったりの製品がきっと見つかる。『Femtech Fes!』会場レポート!
2024年2月9日〜11日に、六本木アカデミーヒルズにて行われた『Femtech Fes!(以降、フェムテックフェス)』。
国内外23ヵ国5地域から約200製品が集まり、来場者数も5,000人を超えるなど、過去最大規模の盛り上がりを見せました。
女性の健康課題をテクノロジーで解決するためのフェムテック。快適に過ごすための生理用品やデバイスなどのフェムテック製品が一堂に会した『フェムテックフェス』について、製品とともにご紹介をしていきます。
みんなでつくり上げる!フェムテックフェスの魅力とは?
“フェムテック”とは、デンマーク出身の起業家であるイダ・ティン氏が、開発していた生理周期管理アプリの資金調達の際に「Female(女性)」と「Technology(技術)」をかけ合わせて生み出した言葉です。
当時から女性の健康課題を解決する製品は多数ありましたが、投資家の男性比率が高いために、そのような製品へのニーズを理解してもらいにくく、資金が集まりにくいという課題がありました。そこで分かりやすい言葉を付け、市場を可視化しようとしたことでフェムテックという言葉が生まれたのだそう。
年々国内外で“フェムテック”という言葉が広がるとともに、作られる製品の数や種類、フェムテックに関心を持つ人たちも増えてきているんです。
2019年から始まったフェムテックフェスは今回で4度目を迎え、最大規模の来場者数となりました。
イベントの運営を行うのは、fermata(フェルマータ)株式会社。フェムテックをはじめとするよい製品を、必要な人に必要なタイミングで届く健全な市場をつくるべく、今回も国内外の起業家の方々と協力をして開催されています。
“フェムテック”は女性の健康課題を解決するためのものですが、自分の身体と向き合い、健康課題について考えることは性別を問わず大切なことであるため、社会全体で個々の健康課題と向き合うきっかけにもなりえるのです。
フェムテックフェスの開催によって、国内外の最新の製品が集まることで、起業家だけでなく私たちのような生活者にも新しい発見が生まれ、フェムテック製品をより身近に感じることができることは、とっても魅力的ですよね。
可愛くて使いやすい!? 身近なフェムテック製品をご紹介
年々盛り上がりを見せているフェムテック製品。今回のフェムテックフェスでは、生理の手助けをしてくれるものから身近なものまで、さまざまなアイテムやサービスが展開されていました。
(1)元祖フェムテック! 環境にも身体にも負担の少ない生理アイテム
生理中にスポーツをすると、漏れやごわつきが気になって思うように動けない…そんなお悩みを解決する一助になるために作られた、「ダンスキン」のスポーツ用吸水型サニタリーショーツ。ヨガ用とランニング用の2種類を展開中です。
ヨガ用はボックスショーツとなっており、本体と吸水クロッチ(パット)に分けられる仕様。パットだけの手洗いが可能なので、お洗濯も簡単!
フェムテックフェス当日に発売されたランニング用は一体型ですが、後方までクロッチが縫い付けてあり、たっぷり動いても安心。
商品説明をしてくださった蒲生さん曰く、「私もヨガ用を愛用しています。クロッチ部分の凹凸がフィットしてくれるので擦れて痛くなる心配もないんです」。
動いても漏れにくく、いつものショーツと変わらない着心地のよさがありますよ。
会社員時代、自身が既製品を使っていて不便を感じた経験から、ユーザー目線でデザインや使いやすさにとことんこだわって、姉妹2人で作られたマルシェカノンの月経カップ。
「女性らしく自由に生きてほしいという願いを込めてマーメイド型の月経カップにしました。折りやすく柔らかいつくりにして、挿入時にも痛みが軽減される工夫をしました」と話す妹の峠さん。実際に持たせていただくと、ふにゃっとして柔らかく、とても滑らかな肌触りでした。持ち手は指1本で引っかけられるフック型となっており、出すときに経血が溢れて手が汚れないように設計されているのだそう。
使用方法やお悩み相談サポートのついた、少額から始められるサブスクリプション制度も取り入れており、初心者でも続けやすくなっています。
見た目も可愛らしく、生理の日でも活動的に動けるように背中を押してもらえるような製品です。
ライフステージに合わせて取り入れたい、暮らしに寄り添うケア製品
韓国の製品を参考に、16年前に日本の女性向けに開発されたよもぎ温座パット。お客様の意見を取り入れて改良を重ね、現在の形となりました。
繊細なフェミニンゾーン専用に開発したカイロ部分と、無農薬のよもぎなどを織り込んだシートが入ったパット部分に分かれており、セットにして使用します。「ドラッグストアに加え、定期コースでの販売も行っているので、続けやすいんです。朝起きて付けるとお腹周りがぐんと温まって元気が出るので、私も毎日愛用しています」と話す担当者の森増さん。
吸水機能はついていないため生理のときには使用できませんが、身体の中心の位置から温められるので、妊活のための温活はもちろん、夏の冷房の効いたオフィスや、生理前後の身体が冷えやすい時期などにもおすすめです。
睡眠の活動量を計測し、睡眠を可視化することで、個々人に合った睡眠を提案しているパラマウントベッドのプロジェクト。産前・産後や更年期など、ライフサイクルの中でも特に睡眠が鍵となる方々を対象に行っています。
「測るものはあっても、解決策がなかなか見つからないのが睡眠ですよね。このプロジェクトでは、食事やストレッチなどのアドバイスも含め、一人一人の生活に合わせたカウンセリングを行うことで、約9割の方々によい変化があったんですよ」と笑顔で話す担当者の大槻さん。
日中に眠くならなければ前日の睡眠は自分にとってよい睡眠だったと言えます!というアドバイスもいただいたので、ぜひ自分に合った睡眠を探す参考にしてみてくださいね。
(3)プラスアルファでセルフケア。日々を支えるお守りアイテム
2024年1月から2月末まで一部店舗で期間限定の先行発売をされていた、スティック型の練り香水。「日々のゆらぎに悩む働く女性をエステーらしく香りの力でサポートできたら」という発案者の大久保さんの想いをもとに、生まれました。
なりたい気分で選べる3種類の香り(シトラスバーベナ、ミントゼラニウム、アロマティックラベンダー)を展開しており、嗜好性の高い香りにこだわって作られています。
香りが周りに広がらない設計なので、手首や耳の裏、胸元など、自分が心地よいと感じる場所に付けていただきたいとのこと。今後は本販売も検討されています。
同じブースでは、オフィスに生理用品やOTC医薬品などが入ったBOXを常備し、従業員が気軽に利用できるヘルスケアサービスの紹介もあり、こちらも注目です。
乳酸菌研究68年の歴史を活かし、女性の膣内に特化した乳酸菌に着目し開発されたフェミフローラ。直接膣内に挿入するタイプの商品もありますが、経口摂取で膣内に乳酸菌が取り入れられることが特徴です。
「膣のpHに合わせたソープやシートで、摂取した乳酸菌を殺菌しないようにトータルケアしていただくこともおすすめ。ぜひライン使いをしていただき、我慢のない明るい日々を過ごしてほしいです」と話す担当者の冨永さん。
女性特有の課題は幅が広いため、女性の生活を豊かにする上では、自分に合ったサービスに触れ合う機会を増やすことが一番重要かつ課題だと感じているとのこと。
さらに、自社の商品では解決できない課題もたくさんあるため、もっとフェムケアを身近に感じ、分かりやすく面白く「女性の健康」を知ってほしいという想いから、わかもと製薬ではYouTubeやコミュニティサイトを開設。
他社のサービスも含め、女性に有用な情報を発信していくとのことで注目です。
身近なことではありつつも、個人やライフステージによってお悩みのポイントがさまざまなフェムケア。
フェムテックは、そんな困りごとを軽減したり解決してくれたりする1つの手段となります。今回のフェムテックフェスでは、ここでご紹介した製品以外にも、妊娠しやすい時期が唾液で分かるシステムがあったり、更年期向けのアプリがあったりと、ライフスタイルに合わせて選べるものがたくさん開発・紹介されていました。
ぜひ、自分に合ったケア製品を選んで、より心地のよい生活を送ってみてはいかがでしょうか。