わかもと製薬株式会社わかもと製薬株式会社

株式会社一門会 上山勝也氏、わかもと製薬株式会社 佐藤公彦氏の対談写真

日本の働く人々を支え続けて95周年

串かつだるま x わかもと製薬株式会社串かつだるま x わかもと製薬株式会社

働く人々を支える企業対談
― 今までも、これからも ―

株式会社一門会 代表取締役 上山勝也氏

株式会社一門会
代表取締役 上山勝也氏

大阪を代表する串かつ食文化を築いた串かつだるまの四代目。
かつての首相、安倍総理が来店した際も
お店の流儀「ソースの2度漬けは禁止やで」を徹底した逸話は有名。
https://www.kushikatu-daruma.com/

わかもと製薬株式会社 常務取締役 佐藤公彦氏

わかもと製薬株式会社
常務取締役 佐藤公彦氏

長い歴史を受け継ぎ、守る覚悟

佐藤弊社は昭和4年に創業し、令和6年度に95周年を迎えましたが、奇遇なことに串かつだるま様も同じだそうで。事業を続けてきた歴史の中で私たちは色々とありましたが、串かつだるま様はどのような道のりを歩まれてきたのでしょうか。何でも、四代目の上山様は突如お店を継ぐことになったとお聞きしましたが。

上山だるまを継ぐことになったきっかけは俳優の赤井英和さんです。古くからお店の常連なのですが、3代目の大将が病気で店を続けられなくなった時に、「子どもの頃から食べてる美味しい串かつがなくなるのはいやや! 俺は忙しいからお前やったってくれ!」と連絡が来ました。彼は高校・大学時代のボクシング部の先輩で、カリスマで神様のような先輩が持ちかけてくるお願いに「ノー」の返事は許されないことでした(笑)。当時は40代で、ガソリンスタンドを営む会社の中堅幹部を務めていましたが、意を決してお店を継ぐことに。

佐藤ある日突然ですか?!よく決心なさいましたね。全くの異業種への挑戦、どうスタートされたのですか?

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上山料理の経験はありませんでしたが、商売のことは知らないわけでもなかったですし、やってやろうと。若さと気合い、根性そして勢いがあったからこその決断だったと思います。しかし、お店には赤井さんと通い詰めていて味は知っていたものの、作る側となれば話は別です。古参のスタッフがいたわけでもなく、見よう見まねでゼロからのスタートでした。それでも、代が変わったら味が落ちた、と言われることのないよう、奇をてらわずに先代の味を受け継ぐ努力をしました。次第に「だるまの串かつはこれや!」とお客様が言ってくださるようになり、その言葉に支えられ励まされながら走り続けました。

佐藤飲食店経営の経験がない状況で、石油会社の地位を捨ててまで後を継いだ上山様のチャレンジ精神や覚悟は目を見張るものがあります。

上山きっかけは赤井さんでしたが、やるからには「大阪を代表するお店にしたい」と思いました。赤井さんがテレビやメディアで紹介してくれて、ものすごいコマーシャル効果があったのですが、その分プレッシャーも大きくのしかかっていました。もしも失敗すれば、赤井さんの顔に泥を塗るわけですから。メディアでの宣伝効果もあって、引き継いだ翌年には2店舗目を開店することに。継いでから10年間、一度も休むことなくがむしゃらに走り続けました。今では大阪や京都に17店舗を展開するまでに至り、こうして95周年を迎えることができています。

独自の着眼点で、厳しい時代を生きる人々を支えてきた

佐藤弊社もだるま様と時を同じくして歴史が始まっていますが、当時は人々の栄養状態は悪い上に生活環境も整っておらずで、子どもの成長は当たり前でなく結核患者の多い時代でした。特にビタミンB1の欠乏で起こる「脚気」が国民病として蔓延していました。その状況を見て、人々の栄養の向上を目的にビール酵母の単一製剤として「若素(現在の強力わかもとの前身)」が開発され、「栄養と育児の会」としてスタートしました。

上山そうですね、創業当初は貧しい時代だったと聞いています。そんな時代背景があり、日雇い労働者のために「手ごろでお腹を満たし、ぱぱっと食べられるものを」と創業者の百野(ももの)ヨシエが串かつを考案し、1本1銭で売り出した大阪・新世界の屋台が私たちのルーツです。時代を頑張って生きる人のためにという想いは、わかもと製薬様と通じるところがあるように思います。若さの素というネーミングはいいですね。ビール酵母とは、ビール作りに使われるのと同じものですか?

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佐藤ビール酵母は昔から、ビール大国であるドイツをはじめ、欧米諸国でいろいろな病気にいいといわれていました。ビールを醸造する際に出る絞りかすに含まれているのがビール酵母になりますが、日本でも大正時代から研究が始まり、ビタミンB1やアミノ酸、ミネラルなど多くの栄養素が含まれていることがわかったのです。

上山絞りかすが原料ということは、今でいうSDGsですね。廃棄処分しようとされていたものが、実は体にとって宝の山だったと。すごい着眼点です。当時は今より“もったいない精神”が強く息づいていたので、それもあったのでしょうか。串かつだるまのルール「ソースの2度漬け禁止」も、もったいない精神からきていると聞いています。ソースをかけて食べるとなれば、たくさん無駄が出てしまうので。食べる分だけ使うという、先人の知恵だと思っています。

佐藤明確なことは記録に残っていませんが、今となっては創業当初から環境配慮の上で製品開発がなされていたのは素晴らしいことだと思います。今の「強力わかもと」にはもう一つ主要成分を配合しており、「アスペルギルス・オリゼーNK菌」と言います。これは消化酵素を生み出す成分で麹菌の一種ですが、原料は胚芽を用いています。

上山麹菌とは日本酒や味噌作りに使われますね。確か、あれはお米が原料だったように思いますが。

佐藤おっしゃる通りです。しかし、開発当時に着目したのは胚芽でした。これも、捨てられるものでありながら栄養が豊富であること、さらに日本人は米が主食なので、精米過程で発生する胚芽は安定して確保できる原料だろうということで、培養に用いられたと伝わっています。ただ、胚芽から麹菌を培養する試みは当社が初めてで、成功するまで難航したようです。その結果、独自の培養技術が確立され、今も私たちの強みとなっています。

株式会社一門会 上山勝也氏、わかもと製薬株式会社 佐藤公彦氏の対談写真 株式会社一門会 上山勝也氏、わかもと製薬株式会社 佐藤公彦氏の対談写真

消化酵素や乳酸菌、ビタミンやミネラル、
健康づくりに欠かせない要素を凝縮

佐藤わかもとは誕生から1世紀近く多くの人に愛されていますが、「強力わかもと」として今の状態になるまで、時代の流れに合わせて改良を重ねてきました。効果効能も広がり、胃腸薬と滋養強壮を併せ持つ製品となっています。

上山そういえば、昔は「強力」の名称はありませんでしたよね? かなり幼い頃の記憶の中に、祖父が胃腸にいいと毎日飲んでいた覚えがあります。今のように詳しい情報が手に入りにくい時代でしたが、いいものがあると人に勧められたのだと思います。うろ覚えですが、当時は胃腸薬と滋養強壮といえば「わかもと」一点張りくらいの存在だったのではありませんか?

佐藤当時は家庭の常備薬といわれていたほど、健康を支える定番として知られており、戦時中には携帯品の一つに認定されていたくらい広く効果効能が伝わっていました。

上山それはすごいですね。その頃からすると、今は食生活も変わりましたね。

佐藤はい。 わたしたちはもともと、魚や野菜、植物性食品が中心の食生活でしたが、今ではタンパク質や脂質はたっぷり、食物繊維は少ないといった食事が多くなっています。こうした食生活は胃や腸への負担になるので、そこをサポートするのが「強力わかもと」です。消化酵素に加え、胃酸に強く増えやすい乳酸菌も配合しています。これも、麹菌と同じように胚芽をもとに培養されています。

上山胃と腸の調子は健康に欠かせないものですよね。酵素に乳酸菌、体にすごくいい気がします。今の製品名には「強力」とついていますね。なんだか力がみなぎってきて、元気になれそうな感じがします。

佐藤ありがとうございます。好きなものが食べられるからこそ、栄養が偏りがちになるので、そこを危惧してビタミンB1やビタミンB2、ニコチン酸アミドをプラスし、乳酸菌の量も増やして成分を強化した際の改良で、現在の「強力わかもと」の名前になりました。いずれも、時代に伴う食生活の変化に対応したものです。「強力わかもと」は、胃腸の健康を守ることにより、みな様の健やかな生活に役立つお薬として進化してきた研究開発の結晶になります。

上山人々のために、という姿勢で製品の改良を続けてこられたんですね。私たちも「お客さんに喜んでいただく、笑顔になっていただきたい」その一心で串かつを作っていて、この思いは今も昔も変わりません。

人々の笑顔のために、原料から製法、
あらゆる角度へ徹底的なこだわりを

佐藤業種は違えども、わたしたちは同じ方向を向いているということですね。創業者の方の「安くてお腹いっぱいに」という思いやりの精神が、一世紀近くたった今も受け継がれているのですね。

上山はい。自慢になりますが、うちの従業員はアルバイト・パートの方を含めよく頑張ってくれています。お客さまへのおもてなしの心はどこにも負けません。原点はお客さまの笑顔です。嬉しい時も、落ち込んだ時も、串かつを食べて笑顔になってほしい。みんなが明るく笑顔で元気になれば、街も暮らしも家族も仲間も活気あふれるものになる。その気持ちが推進力になって、今があると思っています。

佐藤昨日、道頓堀の店舗で串かつをいただきましたが、活気があって元気がもらえそうな雰囲気でした。ついつい、多く食べてしまいました(笑)。

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上山そう言っていただけると嬉しいです。また、何より先代からの味を守ることを重視しています。衣の作り方や付け方、揚げ方など味はちょっとしたことでブレてしまいます。それをブレることのないように徹底するのがプロの仕事です。同じ原料、同じ作り方を続けおり、店で味にばらつきが出ないように揚げ方の手順をしっかりと叩き込むようにしています。さらに、「揚師」検定制度を設けることでスキルの向上やスピーディーな提供ができるような工夫も。この検定には、誇りを持って仕事に取り組んでもらいたいという思いも込めています。

佐藤弊社も、人々への想いと環境にやさしいといった点は製品の誕生から変わっていません。製品の原料となるビール酵母も精米の際に出る胚芽も、もともとは副産物で、現在も利用しています。変わらないものがある一方で、製品づくりにおいて変えている部分もあります。製造技術や品質管理を向上させ、安全で品質の高い製品づくりを行なっています。例えば、微生物を培養する際には雑菌汚染の可能性があります。「強力わかもと」に配合している麹菌や乳酸菌を1回2トンの規模で培養する場所は室(むろ)と呼ばれています。室というと、職人が手作業しているイメージを持つかもしれませんが、弊社は洗浄から殺菌、仕込み、完成まで全自動となっており、さらに品質管理を徹底することで汚染を防いでいます。

上山すべて自動でできるのはすごいですね、見てみたいです。私たちは味を守り続ける一方で、従業員の働き方や教育はよりよいものを目指して変化していっています。高級店と同じようなサービスというわけにはいきませんが、お客さんに「よかったで」と言っていただけるように、特にスタッフ教育には力を入れています。

変わらない想いのために、変わっていくことも大切に

「串かつだるま」の串かつの写真

上山私95周年を迎えた今、5年後には100周年となりますが、いずれも一つの通過点だと捉えています。200周年が来たとしても、受け継いだだるまの味を守っていきたいです。その上で、経営を取り巻く環境の変化には柔軟に対応することが、お店を守ることにもつながっていくのだと考えます。

佐藤変わらない想いのために、変えていく部分がある方針は、私たちも続けていくと思います。長年にわたり多くの方に支持されてきた「強力わかもと」は胃腸薬として健康を支える象徴的な存在です。これからも、化学的根拠に基づいた品質の維持・向上を図りつつ、多様化が広がる時代のニーズに応える新製品の開発にも取り組んでいきます。そして、環境への配慮もますます求められている中で、CO2排出量削減や廃棄物のアップサイクルなど、製造面においてもさまざまな工夫を凝らしています。

上山だるまでは、お客さまの嗜好の変化や多様化に合わせて、メニューを進化させています。チーズや野菜をアレンジしたものや創作串かつなど、幅広い世代に愛されるように積極的なリサーチに力を入れています。食材についても環境への配慮を考えてロスを見直しました。串かつには無料のキャベツが付きものですが、食べ残しが年間23トン(1万4,000玉/2022年)にも上り、苦渋の決断の末に2023年より有料化を実施しています。また、コロナ下でソースはかけて食べていただくようになりましたが、今は漬け放題を楽しめるソースメニューも用意しています。もちろん、これまでと変わらない秘伝のソースの味を楽しんでいただいています。ソースは串かつの味を引き出す醍醐味でもありますから。

佐藤ほかにも、弊社では女性にフォーカスした取り組みも進めています。女性ならではの悩みが色々とあることを男女ともに理解を深め、悩みを抱える女性だけが我慢しない社会を築くための啓蒙活動や、その困りごとをサポートする製品の開発に取り組んでいます。女性の活躍の場を広げるにあたり、悩みに寄り添ったものを作りたいと思っています。

上山だるまのスタッフも女性が多いです。アルバイトはもちろん、社員でも最近は新卒の男女比は同じくらいになっています。女性の細やかなものの見方はお店にとって、とても大切です。

佐藤そうなのですね。女性スタッフの方をはじめ、お客さまを笑顔にしている串かつだるま様の従業員の方も「強力わかもと」で元気になっていただけたらと思います。消化を助け、腸内環境を整え、疲れた体に栄養を届ける心強いサポートアイテムですから。健康はいきいきとした生活の源です。また、腸はストレスの影響も受けやすいので、忙しい毎日を頑張るみな様の応援になればと思います。

上山ストレスは健康の妨げですよね。私も休みなく働いていたころは体調もすぐれず、胃もたれや膨満感もありましたし。

佐藤そうなると、食事もままなりませんね。やはり、人の健康は食事によって支えられていますから。しっかり食事をとることも、元気の源です。

上山食べ物は本当に大切だと思います。「強力わかもと」で胃腸を元気にして、だるまの串かつを楽しく心おきなく食べて、ストレスをなくしてほしいです!

佐藤「強力わかもと」は、どの世代の方にも摂っていただけるものですので、ぜひ食生活を楽しみ人生を豊かにする支えとしても役立てていただきたいです。特に、高齢化が進む中で「食べる力」と「消化吸収力」をサポートする製品は、人々の生活の質を高める重要な役割を果たすと考えているので、より多くの方に元気に日々を過ごしていただきたい願いを込めて、世の中に広めていければと思います。